桐生祥秀を破った男・日吉克実さん 日本競輪選手養成所に合格

スポーツ報知
韮山高時代の恩師・川口監督(左)に吉報を報告した日吉

 日本競輪選手養成所の合格発表が13日行われ、修善寺中時代に全国中学陸上大会(全中)で東京五輪代表の桐生祥秀(26)を破った日吉克実さん(26)=韮山高出=が受かった。けがの影響で3年前に陸上を引退した「消えた天才」が新たな夢に挑む。入所式は5月27日に行われる。

 恩師の祝福に、頬がゆるんだ。ネット上で合格を確認した日吉は午後5時に、母校・韮山高を訪問。陸上部の川口雅司監督(60)と固い握手を交わし「やっと生きた心地がした。背水の陣だった」。3度目の挑戦でつかんだ夢をかみしめた。

 「桐生に勝った男」が、第二の競技人生を歩みだす。修善寺中3年の2010年全国中学陸上大会(全中)。100、200メートルとも日本中学記録を更新して2冠を達成した。200メートルは2位の桐生に0秒43差をつける21秒18で完勝し、現在も記録として残る。「正直、当時は『自分は将来どこまで強い選手になるんだ』と思っていました」と振り返る。

 卒業後はけがもあり「『こんなものじゃない』という歯がゆさがあった」。自己記録は伸び悩み、テレビ番組で「消えた天才」として取り上げられた。中大卒業後、親戚のタレント・研ナオコ(68)の支援を受けつつ競技を続けていた時、中学時代に周囲からかけられた言葉を思い出したという。

 「『自転車競技も向いてるよ』って言われてたんです」。当時は陸上の記録が伸びており気に留めなかったが、アキレス腱(けん)の痛みが悪化したこともあり、転向を決意。沼津市出身で元S級競輪選手の久松昇一さん(54)に弟子入りし、「もう一度、スポットライトが当たる場所に戻りたい」と猛練習の日々が始まった。

 1年前からは塾講師のアルバイトと両立し「最後のチャンス」と臨んだ。ここ3年間は「周りに『今、何やってるの?』と言われるのが一番つらかった」と胸の内を明かしながら「桐生や小池(祐貴)にも『俺、競輪やるんだ』って言える。あの2人のような活躍ができるように頑張りたい」。新たな船出への切符を手に入れた「天才」が必ず、ひのき舞台に戻る。(内田拓希)

 〇…日吉から吉報を届けられた川口監督も「良かったです」と頬を緩ませた。競輪選手を目指すようになって以降も定期的に母校でトレーニングを行っていた日吉に対し、励まし続けていた恩師は「よく粘りこみました。でもこれからが勝負。簡単な道ではないが、頑張ってほしい」と期待した。

 ◆日吉克実(ひよし・かつみ)1995年5月8日、修善寺町(現伊豆市)生まれ。26歳。修善寺中3年時の全中で100、200メートルの2冠。18年冬に自転車競技へ転向。目標は元選手で師匠の久松昇一さん。178センチ、85キロ。家族は両親と兄2人。

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