【明日の金ロー】ジブリ作品では”異質”の「ひたむきさ」ではなく「かっこよさ」を強調した「紅の豚」

スポーツ報知
外見はブタながらダンディさが魅力の主人公ポルコ・ロッソ(C)1992 Studio Ghibli・NN

 14日の金曜ロードショー(後9時)は先週に続き、スタジオジブリ作品が登場。今週は、「紅の豚」(1992年)が放送される。

 物語の舞台は1920年代のアドリア海。ファシズムの脅威にさらされる中、従軍を拒否するために自ら魔法をかけて”ブタ”になってしまった元エース・パイロットで現在は賞金稼ぎとして生活するポルコ・ロッソを主人公に、彼を疎む海賊ならぬ「空賊」たちと、空賊に雇われた米パイロットのミスター・カーチス、飛行機乗りの憧れの的であるジーナとの関係を描く。

 傑作ぞろいのジブリ作品の中で、記者にとって一番のお気に入りの作品なのだが、周囲に聞いてみても本作を「推し」にするのは圧倒的に男性の方が多い。それは、宮崎駿監督作品の中でも、本作がある意味「異質」だからだと思う。宮崎作品のキャラクターには「ひたむきさ」が描かれていることが多いが、ポルコの中に流れているのは「かっこよさ」。それは、公開時のキャッチコピー「カッコイイとは、こういうことさ。」からも一目瞭然だ。

 主人公のポルコは、宮崎監督が自分自身を重ね「こういう男になりたい」と考えた中で完成したキャラクターとみている。ポルコがたばこをスパスパ吸うところや、戦争を徹底的に否定する点からも、それを受け取れる。公開当時、宮崎監督は本作について「これまでは子供たちのために作ってきた。でもこれは自分のために作った」と話していた。

 その意味では、本作の立ち位置は2013年の「風立ちぬ」に近いものと言えるだろう。両作品とも宮崎監督が雑誌「モデルグラフィックス」に連載していた趣味的要素の強い漫画が原作。「風立ちぬ」の原作は、登場するキャラクターが全てブタを擬人化して描かれていたという”共通点”もある。また、「風立ちぬ」は宮崎監督が初めて実在の人物をモデルとしたが、「紅の豚」も国や時代がハッキリ分かる作品となっている。

 ちなみに、「風立ちぬ」は「紅の豚」があったからこそ生まれたとも言える。宮崎監督によると、「『紅の豚』を作った後に、ジャンニ・カプローニ(『風立ちぬ』に登場するイタリア人の航空機開発者)のひ孫にあたる人が、カプローニ社の飛行機の構造物がいっぱい入ったものを送ってきてくれた」。それらを元に、作品に登場する独創的な飛行機がデザインされていったのだった。(高柳 哲人)

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