藤井聡太竜王、渡辺王将の”掛川不敗神話”止めた「次につなげられるように」王将戦七番勝負第1局に先勝

スポーツ報知
対局を終え渡辺王将と感想戦を行う藤井竜王(代表撮影)

 将棋の藤井聡太竜王(19)=王位、叡王、棋聖=が渡辺明王将(37)=名人、棋王=に挑戦する第71期王将戦七番勝負第1局が10日、静岡県掛川市の「掛川城 二の丸茶室」で前日から指し継がれ、先手の藤井竜王が139手で勝利して五冠奪取に向けて好スタートを切った。王将が過去6戦全勝と不敗を誇る掛川で神話を打ち破る白星。連勝を狙う第2局は22、23日に大阪府高槻市で行われる。

 終局直後の取材。数分前まで生死の境で危険な綱渡りをしていた藤井の視線は宙を泳いでいた。「第1局に勝つことができたので、しっかり第2局に向けて取り組んでいけたらと思います」。うつろな表情でシンプルな言葉を発した。

 掛川城の天守で武将同士が刀を交錯させるも、斬り合いは挑まず、にらみ合いを続ける。そんな将棋だった。互角で始まった2日目も一進一退の攻防が続く。藤井は思わしくない展開と見ていた。「序盤から類型が少なく一手一手が手探りではありましたが、少しずつちょっと苦しいのかなと思っていました」

 互いに不安定な陣形で難解な手順を尽くすも、形勢の均衡は保たれる超絶技巧の応酬。持ち時間8時間を使い切り、それぞれ一分将棋に突入しても互角だった。「いろいろミスはあったと思いますが、秒読み(一分将棋)なので分からないままやっていました」。最後は受けに利かしていた桂馬でカウンターの王手をかける絶品の手順が残り、勝利をさらった。一度も動かさない「不動駒」は両者で1枚のみ。史上初の四冠対三冠の戦いにふさわしい名局だった。

 掛川城は渡辺が6戦無敗を誇った戦場。不敗神話を終わらせる白星を挙げ、史上最年少での4人目の五冠に一歩近づいた竜王は「内容を振り返って次につなげられるようにしたいです」と見据えた。

 対渡辺の研究を深めた年末年始。息抜きはチェスのサイト「リーチェス」でのプレーだった。「まだ自信がないので人とは指せないです。将棋に生きることはないですけど新鮮です。将棋の終盤は加速していきますが、チェスのエンドゲーム(終盤)は繊細さが求められますね」。本局の最終盤で披露したのは、繊細かつ加速する手順だった。

 初めて2日制対局で激突した両雄だったが、1日制よりもさらに高水準の技術を応酬させた一局。まずは竜王の勝利で終わったが、名シリーズを予感させる掛川決戦だった。(北野 新太)

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