◆ハイテクハーフマラソン(9日、東京・北区新荒川大橋野球場発着公認コース=21・0975キロ、報知新聞社後援)
第98回箱根駅伝(2、3日)で往復路を制し、総合新記録(10時間43分42秒)の完全優勝で2年ぶり6度目の栄冠に輝いた青学大のVメンバー以外の20選手が「箱根駅伝11区」として出場した。4区登録で当日変更で出番なしとなった関口雄大(3年)が1時間2分26秒の今季日本人学生最高タイムで優勝した。青学大の「第98回箱根駅伝11区区間賞」を獲得した関口は「学生生活も、あと1年。きょうの結果を来季につなげたい」と表情を引き締めて話した。
16人の登録メンバーに入ったが、出番がなかった選手も4年生の湯原慶吾を除く新主将の宮坂大器(3年)、横田俊吾(3年)、西久保遼(3年)、関口、田中悠登(1年)の5選手が出場。箱根駅伝に向けて練習、調整してきた成果を1週間後れで行われた「11区」で発揮するために力走した。コロナ禍前の2020年までは1月の上旬に栃木・高根沢ハーフマラソンに「箱根駅伝11区」として出場していたが、同大会がコロナ禍の影響で2年連続中止に。昨年は相模原キャンパス内で5000メートルの学内記録会を行い、例年は参加した4年生の新号健志が特別参加し、魂の力走。2年連続で青学大チームの11番目の選手となった新号は「毎年、必ず11番目の選手がいます。11番目の選手としての見本を示したかった」という名言を残した。今回は初めて「箱根駅伝11区」としてハイテクハーフマラソンに参加した。
序盤から青学大勢と日大出身のダニエル・ムイバ・キトニーが好ペースでレースを進め、残り約1キロで関口が抜け出し、優勝を飾った。「青学大は11番目以降の選手も強いということを示したかった。そして、箱根駅伝は僕が走っても優勝できた、という証明したかった」と関口は充実した表情を見せた。今季日本人学生最高ということに関しては「それは知りませんでしたし、気にしていません。2月の丸亀ハーフマラソンに青学大の優勝メンバーを含めて他校の強い選手も出るので、すぐに破られるでしょう。僕ももう一度、自己ベストを出せるように頑張ります」と冷静に話した。
2位に田中、3位にキトニー、4位に横田俊吾が続いた。
青学大勢では16人の登録メンバーから外れた選手も大健闘した。昨年7月~11月に左すねの疲労骨折のため戦線離脱し、登録メンバーから外れた鶴川正也(1年)が初ハーフマラソンながら1時間2分44秒で5位と健闘した。「ドラフト1位」ルーキーとして期待されながら出走を逃した鶴川は「来年は絶対に箱根駅伝1区を走りたいです。今年は1区の志貴(勇斗、2年)さんの付き添いでした。1区のスタート前の雰囲気を知ることができたことをいい勉強になりました。来季はしっかり練習を積んで青学大で1番の選手になります」と来年の1区出陣に向けてメラメラと闘志を燃やした。
原晋監督は「11区区間賞」の関口について「主要区間の4区を走っても区間3~5番でまとめたでしょう。来年は『11区』の区間賞ではなく、1~10区のいずれかで区間賞を狙ってほしい」とさらなる飛躍を期待した。鶴川については「来年のことも考えて1区の付き添いを任せた。今回、1区で区間新記録を出した中大の吉居大和君(2年)と来年は堂々と勝負してほしい。その力はある」と高く評価した。
この日、出場した20人のうち15人が自己ベストをマーク。7人が1時間2分台、6人が1時間3分台で走破した。新主将に内定した宮坂は1時間5分46秒でチーム内19位と奮わなかった。「新チームも力はあります。僕個人としてはダメでしたが、へこんでいる暇はありません」とキャプテンらしく前向きに話した。「パワフル大作戦」を掲げて、第98回箱根駅伝を制した青学大は「11区」でもパワフルに走り切った。第99回箱根駅伝に向けた戦いは、すでにヒートアップしている。
◆ハイテクハーフマラソン上位選手
優勝 関口雄大 1時間2分26秒
2位 田中悠登 1時間2分33秒
3位 キトニー 1時間2分35秒
4位 横田俊吾 1時間2分36秒
5位 鶴川正也 1時間2分44秒
6位 山内健登 1時間2分45秒