Twitter facebook Instagram YouTube

勝ってもピンチ大津に届いた支援の輪 高校サッカー公立校唯一の4強で資金不足も寄付1000万円

スポーツ報知
県勢初の決勝進出を狙う大津イレブン

 第100回全国高校サッカー選手権で初の4強進出を果たした大津(熊本)が、6日までに支援金の緊急募集を行った。勝ち上がりによる遠征延長に伴い、宿泊費などが当初の予定を上回る可能性が出てきたため、部の公式ホームページに4日付で掲載。6日午後6時までに約2000人(団体)からおよそ1000万円の寄付金が集まった。大津は8日の準決勝(国立)で関東第一(東京B)と対戦する。

 “公立の雄”のピンチに、支援の輪が広がった。今大会、勝ち上がったベスト8のうち公立校は大津のみ。滞在日数の延長で活動資金の不足が懸念されることから、同部は準々決勝が終わった4日、公式ホームページ(HP)で「保護者会からのお願い」と掲載。緊急の呼びかけとなったが、丸2日で約2000人(団体)からおよそ1000万円の寄付が集まった。

 半年前から同校の運営をサポートをする株式会社グリーンカード・羽生博樹代表取締役によると、応援の選手を含めた全部員の滞在費などは数千万円に上る。目標額にした1000万円と、保護者会の積み立て金を合わせ、10日の決勝戦まで乗り越えられる“軍資金”が集まったという。支援者には支出について文面で報告する。ツイッターでは、熊本市出身のプロ野球・ヤクルトの村上宗隆内野手も「頑張ってください!」とHPを引用する形で発信していた。

 例年であれば、前年度大会の集客収益から各校に交通費や宿泊費などの補助金が出るが、第99回大会は無観客開催だったため収入はゼロとなり翌年度に大きく影響した。今大会は予算を組むことが難しく、全国高体連サッカー専門部の小川伸太郎総務委員長も「苦渋の決断」として昨夏、各都道府県に自己負担の要請をしていた。来年度以降の補助金制度については未定だという。

 多くの支援を得た大津は8日の準決勝で関東第一と対戦。県勢として歴史的快挙となる初の決勝進出がかかる。山城朋大監督は「本当にいろんな方から連絡をいただいて、すごく自分たちが応援されていることを実感している」と感謝。「支えていただいてる分、なんとかあと2試合戦えるように、積み上げてきたものをすべて出したい」と言葉に力を込めた。(小口 瑞乃)

 ◆大津 1922年創立の県立校。所在地は熊本・大津町。サッカー部の創部は72年で、部員数は186人。全国大会の主な成績は2014年度全国高校総体準優勝など。主なOBは元日本代表FW巻誠一郎氏、日本代表DF植田直通(仏2部・ニーム)、DF谷口彰悟、DF車屋紳太郎(ともに川崎)ら。

サッカー

個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請 報知新聞150周年
×