宝塚元月組トップスター珠城りょう、「ケイダッシュ」グループ入り　マルチ女優へバラエティーにも意欲　

　昨年８月に宝塚歌劇団を退団した元月組トップスターの珠城りょう（３３）が１日付で芸能事務所「ケイダッシュ」グループの「ケイパーク」に所属したことが６日、分かった。宝塚では男役だったが、今後は女優として舞台、ドラマ、映画など幅広く活動し、４月からはソロコンサートも開く。同グループの高橋克典（５７）、渡辺謙（６２）との演技共演や堺正章（７５）、お笑いコンビ「オードリー」とのバラエティー共演にも意欲を見せている。（有野　博幸）

　温かい包容力のある男役として、宝塚の劇場を華やかな雰囲気に包み込んだ珠城が、元日から女優として新たな一歩を踏み出した。所属先が決まり「スタートラインに立ってワクワクしています。自分の可能性を信じて挑戦していきたい」と抱負を語った。

　宝塚では天海祐希に次ぐ２番目の早さでトップに就任した。「公演の評判や集客が全てトップである自分の責任だと思って約５年間、戦ってきました。今はいい意味で肩の力を抜いて、自分は何がしたいのか、考えています」。ステージ外でも「ファンの夢を壊さないように」と意識してメンズの服しか着なかったが、最近になってスカートを購入するなど自分らしいファッションを楽しんでいる。

　同じグループに所属する高橋克典、渡辺謙らとの共演機会もありそうだが、「宝塚では男性と共演することがなかったので、共演した時にどんな化学反応が起こるのか、楽しみ。機会があれば、胸を借りるつもりで、人生の先輩としても、いろいろと教えていただきたい」と心を躍らせる。

　１７２センチの長身を生かしたスケールの大きな表現力が魅力でアクション女優としても期待される。水泳、スキーなどスポーツ万能で「刑事役には興味がありますね。（宝塚時代は）拳銃や日本刀を使いこなす“武器ジェンヌ”と言われていたので」。新たな挑戦としてコメディーにも「ケイダッシュグループにはタレントさん、お笑い芸人さんもいらっしゃるので、絶妙な間を学びたい」と意欲的だ。

　性格は芯の強さがありながら、おっとりしたマイペースタイプ。「常に何事にもフラットでありたい」と心掛け、宝塚のトップ時代も立場に関係なく、誰に対しても誠実に接してきた。女優としての今後は「穏やかな道のりを明るく前向きに歩いていけたらいいかな」と謙虚に語る。あえて大きな目標は掲げない。幅広い分野に目を向け、一歩ずつ着実に進んでいくのが珠城らしいところだ。