◆新日本プロレス「WRESTLE KINGDOM 16 in 東京ドーム」大会▽スペシャルシングルマッチ・キャッチレスリングルール30分1本勝負 〇柴田勝頼(11分46秒 PK→片エビ固め)成田蓮●(4日、東京ドーム、観衆1万2047人)
4年9か月ぶりのリング復帰となった柴田勝頼がスペシャルシングルマッチで成田蓮を下した。
直前まで「X」とされてきた対戦相手は現在、柴田がコーチを務める米LA道場で武者修行中の成田蓮だった。ヒゲをたくわえて入場した成田に続いて、柴田の入場曲が流れると、ドームを埋めた観客からは大きな拍手が起こった。
急性硬膜下血腫を克服した柴田は黒のショートパンツにレガースのおなじみのスタイルで入場。当初、打撃技が禁じられた一戦だったが、いきなりマイクを持った柴田は「ルール変更しよう。プロレスだ。やれんのか? おい!」と成田を挑発。ゴングと同時にいきなりキックを繰り出した。
さらにグラウンドの攻防で成田を抑え込むと、マウントポジションから、パンチの姿勢に。ロックアップからヘッドロック。強烈なサッカーボールキックも披露した。
足4の字固めで攻めると、エルボーの連打。コーナーに追い詰められ、成田の頭部へのキックを受ける場面もあったが、強烈な顔面への串刺しドロップキックでやり返すと、腕十字固め。成田スペシャルで足を絞め上げられたが、強烈な右足キックの連打でリング下にたたき落とす。
コブラツイストからのバックドロップ。レインメーカー式の掌底。「成田ー!」と叫ぶと、強烈な蹴り合いからの張り手、スリーパー、必殺のPKで蹴り上げ、3カウントを奪った。
試合後、号泣する愛弟子・成田と抱き合った柴田。コーナーポストに上ると、高々と人差し指をドームの天井に向かって突き上げた。
柴田は2017年4月、IWGPヘビー級王者(当時)オカダ・カズチカのIWGPヘビー級王座に挑戦。敗れた際、試合後に昏倒し、緊急搬送。病院での検査の結果、急性硬膜下血腫と診断され、緊急手術を受けた。それ以来、リングから離れ、現在は新日ロサンゼルス道場でコーチをしていた。
しかし、「G1クライマックス31」決勝が行われた昨年10月21日の東京・日本武道館で突然、リングに登場。ザック・セイバーJr.との5分間のグラップリングルールによるスペシャル・エキシビジョンマッチを行っていた。(中村 健吾)