月城かなと「未来へのエネルギーを」羽根の重さ、責任の重さ…月組新トップコンビお披露目「今夜、ロマンス劇場で」上演中

スポーツ報知

 宝塚歌劇月組トップスター・月城かなとが、1日に開幕した「今夜、ロマンス劇場で」「FULL SWING!」(兵庫・宝塚大劇場)で、相手役の海乃美月(うみの・みつき)とともに、本拠地で新トップコンビお披露目公演に臨んでいる。大劇場の舞台で見る新たな光景。「緊張やプレッシャーと上手く付き合いたい」と肝を据え、「宝塚の2022年の幕開き。全力でスタートダッシュを。やるしかない!」と己を震い立たせていた。(筒井 政也)

 劇団屈指の美貌(びぼう)と情感のこもった芝居心を持つ正統派男役が、大羽根を背に、本拠の0番(舞台のセンターにある主役の立ち位置)に立った。昨年11月の博多座公演でのプレお披露目では「羽根はこんなに重いんだ…と。責任の重さ、その通りだなって」と入団13年目での初体験に驚いた。「でも、階段を下りる時に感じたのは、やっぱり感謝の気持ち。それはこれからずっと先も変わらないんだろうな」と柔らかな口調で話す。

 本格始動作「今夜―」は、ファンへの思いを熱量にして、大劇場を温かく包むような物語だ。綾瀬はるか、坂口健太郎の主演で2018年に公開された同名映画の舞台化。映画監督を夢見る青年・健司(月城)が、モノクロ映画の中から飛び出した憧れのヒロイン・美雪(海乃)と恋に落ちる。

 坂口へのライバル心を聞くと「ないです!」と苦笑しながら「(坂口の)守ってあげたくなるような感じがとてもステキですが、男役が演じるとなると別の話」と、乙女の園ならではのテイストに。

 「健司は基本的に自信がなく、自分と似てるなと思いますが、何かを乗り越えて前へ進んでいこうとする人。この状況下で新しいスタートを切る時に、未来へのエネルギーを感じてもらえるのでは。それが宝塚で今やる意味じゃないかな」と、根本にあるテーマ性を語った。

 夢物語を共に描く2期下の海乃は、何度もコンビを組んできた間柄で「とても経験が豊富。硬質な美しさをイメージされると思うんですが、実はとても繊細」と表現。「舞台では自分たちが一番楽しめるよう、今は精いっぱい苦しんでやりましょう、ということはいつも話しています」

 一方の「FULL―」は全編ジャズでつづるショー。「私自身がファン時代、少し色気のある大人っぽいショーが好きだったので、それに挑戦できるのがありがたい」。題名通り、力を振り絞って芯に食らいついている。

 公演中の2月に、雪組から異動してから丸5年になる。「組替えは自分の中の転機。『組の中で、どう居れば作品が盛り上がるか』―その思いを臆せず出せる環境に行けたのがありがたかった」と振り返った。

 この両組の特色は「多分、正反対」だという。「雪組はとにかく体当たり。自分をさらけ出す。月組は、個人で考え抜いたものをお稽古場でやっていくような。でも最近は『やっぱり、みんなで考えることも大事だよね』と。一人で考えても分からないこともある。個人個人の力に、みんな一緒の力が加わったら、もっとパワフルな組になるんじゃないかな」と期待を込めた。

 その先導役がトップの務めだ。「お一人で君臨されて、できるタイプの方もいらっしゃると思うんですが、自分はそうではない。みんなの力でトップにさせてもらっている。その気持ちはずっと忘れないようにしたいな」。“一丸の月”が空に映える、高くて強固な城を築いていく。

≪“黄金世代”3人目のトップ≫

 〇…月城のトップ就任は、星組・礼真琴(れい・まこと)、花組・柚香光(ゆずか・れい)に続いて、“黄金世代”第95期生から3人目。互いの作品を観劇しながら「2人もトップで頑張っているので、その姿を見て励ましてもらっています」。LINEでのやり取りでは「直接『これが困っている』と聞くことはないのですが、生存確認はいつもしています(笑い)。『(ちゃんと)食べてますか?』って」。同期の絆はスマホでも結ばれている。

 ◆日程 兵庫・宝塚大劇場で今月31日まで。東京宝塚劇場では2月25日~3月27日

 ◆スタッフ 「今夜―」脚本&演出・小柳奈穂子、「FULL―」作&演出・三木章雄

 ◆月城 かなと 12月31日生まれ。神奈川県横浜市出身。2009年「Amour それは…」で初舞台。第95期生。雪組に配属後、新人公演主演3度、宝塚バウホール主演2度。17年2月に月組に組替えされ、2度の外部劇場公演主演を経て、昨年8月に珠城りょうの後を継ぎ、トップスターに就任。5月14~23日にはショー「Rain on Neptune」(千葉・舞浜アンフィシアター)を行う。身長172センチ。愛称「れいこ」。

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