羽生結弦が直筆メッセージ「今までの全ての道のりと共に 頑張ります!」2022年の誓い

スポーツ報知
12月26日、全日本フィギュアで連覇を決め笑顔で表彰式に向かう羽生結弦(カメラ・矢口 亨)

 フィギュアスケート男子で五輪連覇中の羽生結弦(27)=ANA=が、スポーツ報知に直筆メッセージで2022年の誓いを寄せた。「今までの全ての道のりと共に、頑張ります!」。2月に開幕する北京五輪での人類初のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)成功へ、94年ぶりとなる3連覇の偉業へ、羽生の道はつながっている。

 平昌五輪後、羽生には自分のためにスケートを続けてほしいと勝手に願ってきた。今ならわかる。誰かのために滑ることが、羽生のためでもあることが。

 圧倒的な強さで優勝した全日本選手権で、初めて4回転半ジャンプに挑んだ。

 「みんなの夢だから。皆さんが、僕にかけてくれている夢だから。皆さんのためにもかなえてあげたい」

 大会中何度も口にした。「みんなの夢」「皆さんのため」。それらの思いが、今の羽生を支えている。

 66年ぶりの連覇を達成した平昌五輪。やるべきことはやった。取るべきものも取った。「アクセルだけがモチベーション」と言った。幼い頃からの夢を追い、前人未到の闘いの日々に身を投じた。挑戦者であり続ける姿は、いつだって人を引きつける。羽生の夢は、いつしか「みんなの夢」になっていた。

 昨年11月のNHK杯前に右足首を故障した。ストレスから食道炎にも見舞われた。4回転半の成功者はいない。未開の道を切り開く作業は孤独を伴う。「やめちゃおうかな」と揺れた。全日本直前に死に物狂いで挑んだ練習で、4分の1回転不足まで達した。「僕だけのジャンプじゃないなって。皆さんが、僕にしかできないって言ってくださるのであれば、それを全うするのが僕の使命」。もう一度、腹をくくった。

 それは突然の“再会”だった。全日本選手権後、北京五輪で3連覇を目指すことを初めて明言した。懐かしい、メラメラの羽生がそこにいた。「五輪は発表会じゃない。勝たなきゃいけない場所」。羽生が言うから刺さるような強さを帯びた。一度覚悟を決めた羽生はとてつもなく強い。

 大技に取り組む日々は「頭を打って、脳震とうで倒れて死んじゃうんじゃないかと思いながらの練習」という。想像を絶する日常を思うと、容易に「頑張れ」とは言えない。ただ、羽生を信じる。「羽生だから」期待する。人類初の4回転アクセルの成功を。五輪での94年ぶりの3連覇を。「プレッシャーは力」と言い切る羽生の強さを信じる。

 4歳で踏み出した道。暖かな日差しの下を歩く日もあった。真っ暗闇を手探りで進む日もあった。人知れず涙を流し、行く先に迷うこともあっただろう。そうして誰も来たことがない道を、一歩一歩進んできた。

 スケートにささげた「今までの全ての道のり」は、壁の向こうのまだ見ぬ景色へとつながっている。どうかけがなく決戦の地へ。思いを力に。羽生結弦が夢をかなえる2022年が、幕を開けた。(高木 恵)

 ◆羽生の14年ソチ五輪 2月13日のショートプログラム(SP)は4回転トウループ、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)、3回転のルッツ―トウループの連続ジャンプを決め、世界最高の101.45点で首位。翌14日のフリーでは178.64点、合計280.09点で日本のフィギュア男子史上初の金メダルを獲得した。「緊張しました」

 ◆羽生の18年平昌五輪 2月16日に行われたショートプログラム(SP)で、111.68点でトップ。翌17日のフリーは「SEIMEI」。冒頭のサルコー、続くトウループの4回転はともに最大加点の3。206.17点、合計317.85点で、66年ぶりの男子連覇。「ここまで来るのに大変だったんで、いろんな思いがこみ上げた。本当に右足が頑張ってくれた」

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