◆スピードスケート ▽北京五輪代表選考会 第2日(30日、長野・エムウェーブ)
男子1000メートルで、21歳の森重航(専大)が1分8秒59の自己ベストをマーク。3位に入り、既に五輪代表に内定している500メートルと2種目での出場を確実にした。会心のレースにゴール後はガッツポーズも飛び出した。「想像できないタイムでしたし、自己ベストを1秒近く更新できたので、本当に驚きました」と満足げに笑った。
今季ナショナルチーム入りし、今月のW杯で初優勝するなど飛躍の一年となった。29日の500メートルでは、日本のエース・新浜立也を抑えて優勝。飛躍の要因について、「今年はスピードの乗せ方(がいい)。500メートルでもラップタイムが伸びていて、1000にも生きている」と分析。この日もスタートからスピードに乗ると、ぐんぐん加速。後半の粘りにつなげ、「ラスト1周はいつも落ちてしまうけど、今日は落ち幅を抑えられた」とうなずいた。
同郷で、4つ上の先輩・新浜としのぎを削る。2人はともに北海道・別海町出身。29日の500メートルでは森重がV、新浜が2位。この日の1000メートルで、森重は新浜の2つ後ろの組で滑り「新浜さんが本当に速くて。僕も500メートルだけじゃないって見せないと、と思っていたのですごくい刺激になりました」と奮起。対決にはわずか0秒01差で破れたが、2人そろって500、1000メートルの2種目で五輪出場権を確実にした。森重は「別海町同士で盛り上げていけたら」と気持ちを高めた。
飛躍の年のラストレースを会心の滑りで締めた期待の新星。ウェートトレでは夏場と比べて「数値でレベルアップしている」と日々成長中だ。メダルも期待される来年2月の五輪を見据え「代表選手として、全力で滑りたい」と力を込めた。大舞台でさらなる活躍を遂げる。