【2022年注目馬】秘める能力は抜群のコマンドライン ホープフルS大敗もクラシック戦線で逆襲へ

スポーツ報知
クラシック戦線での逆襲を期すコマンドライン

 「高く飛ぶには、小さくかがむ必要がある」。ホープフルSの取材を終え、外れ馬券を握りしめながら、この言葉が脳裏をよぎった。本命を打った1番人気のコマンドライン(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎、父ディープインパクト)は、出遅れたスタートから終始流れに乗れずに12着。デビュー2連勝で重賞初挑戦のサウジアラビアRCを制し、ダービー馬候補の夢を見ていた“大器”の思わぬ大敗だった。

 レースを振り返ると、ゲートの中でうるさい面を見せてスタートがひと息で、後方からの競馬を余儀なくされた。国枝調教師は「ゲートの練習はしたけど、ちょっと大きい馬(レース時馬体重530キロ)だから、器用にいけなかった。ルメさん(ルメール騎手)が『ふうふう言っていた』と言うから、気持ち、重いのかな」と敗因を分析。3、4コーナーで前に上がっていく脚を見せたが、直線で見せ場はなかった。もともとエンジンのかかりが遅い面を見せていただけに、やはり小回りの中山コースは向いていなかったのだろう。息の入りの悪さを考えると、結果的に仕上げに余裕を残していたとも言える。

 話は少しそれるが、「国枝厩舎の“2戦目”」という言葉をご存じだろうか。デビュー戦で負けても、きっちりと2戦目で変わり身を見せて勝つと傾向があるのだ。名牝アーモンドアイ(初戦2着)もアパパネ(同3着)も、展開のあやもあるが、このパターンにあてはまる。だからといって、新馬勝ちしたコマンドラインが“超大物”と言いたいわけではない。

 国枝厩舎を開業当時から支えてきた番頭格の鈴木助手に聞くと、「よく何本のけいこよりも1回の競馬、なんて言うじゃない」と返ってきた。さらに「今はデビュー前から牧場できっちり仕上げてきてくれるし、詰め込み過ぎて嫌にならないようにというのはあるかな」と説明してくれた。若い時期だけに、無理をさせて才能の芽をつまないこと。そして実戦の経験が、何より馬を変えて成長させるという。

 すべてのホースマンの目標は、日本ダービーと言われる。昨年末にG1を取れなかったのは残念だが、あくまで今年のクラシックが目指す場所だ。舞台適性について国枝師は「東京の方が広くて大きいからリカバリーできる」と語った。無理をさせなかったぶん、まだ成長の余地は十分にあるだろう。トレーナーの悲願である牡馬クラシック制覇へ、決して悲観する必要はないとみている。(坂本 達洋)

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