Twitter facebook Instagram YouTube

藤井聡太竜王、キノコ克服!「以前より食べられるように」 新年の誓いは「道」

スポーツ報知
「道」と書かれた色紙を手にする藤井聡太竜王(カメラ・森田 俊弥)

 将棋の藤井聡太竜王(19)=王位、叡王、棋聖=にとって、7月に成人を迎える2022年は全八冠制覇への試金石の年になる。王将挑戦と4つの防衛戦を控え、全棋戦で不敗を貫けば年内六冠に達する。メディア各社の取材会に臨んだ竜王は、新年の誓いを「道」と揮毫(きごう)し、「強くなる道をブレずに進んでいきたい」と力強く語った。(構成・北野 新太)

 家族と過ごす正月は、藤井にとってつかの間の休息にすぎない。

 「今年も(愛知県瀬戸市の)自宅で新年を迎えます。年末年始は普段通り、家でゆっくり過ごせればと。お正月の料理は…自分としてはカマボコが好きです。息抜きは…将棋の観戦でしょうか。指すのと違って気楽なので。趣味はチェスプロブレム(チェスにおける詰将棋のようなもの)をやってます。でも今年はすぐに王将戦が始まるので」

 おせちに舌鼓を打ったら、緩む間も許されずに戦闘モードに突入する。史上4人目の五冠を懸け、渡辺明王将(37)=名人、棋王=に挑戦する王将戦七番勝負の開幕が9日に控える。

 「渡辺王将との2日制対局は初めてなので。21年の棋聖戦での結果は幸い(3勝0敗)しましたけど、内容的には本当に際どく、戦略面でペースをつかまれた将棋が多かったので、対抗できるように」

 2016年12月のデビュー以来、進化を続けてきた。棋聖・王位の二冠として迎えた21年はどちらも防衛し、さらに叡王と竜王を奪取した。

 「過去に四冠になられた方は偉大な棋士の方ばかりで光栄に思っていますが、将棋を指す上で立場の違いは関係のないことなので」

 20年まで豊島将之九段(31)には6戦全敗だったが、21年は13勝4敗と圧倒。3度のタイトル戦で全勝した。もう全くダメなのは、あの食材くらいしか…。「実は…キノコは以前より食べられるようになったかもしれません」とテレ笑いを浮かべながらも克服を示唆。恐れるものは他者よりも己の中にあると語る。

 「自分のパフォーマンスへの不安は常にあります。打ち消すには普段から将棋に取り組むこと。負けを恐れる気持ちはなかなかゼロにはできないので、対局では恐れ以上に楽しむ気持ちを持つのがいいのかなと」

 今年は王将挑戦の後、棋聖、王位、叡王、竜王の順で防衛戦を控える。権利として王座挑戦の可能性はある。年内六冠には6タイトル戦での全勝が条件になるが、藤井は過去6回の番勝負でまだ敗れていない。不敗のまま23年春に最速最短で棋王、名人を加えた全八冠制覇を達成する可能性を、夢物語と笑うことはできない。

 「(八冠は)自分自身が意識することではないと思っています。実力をつけていくしかないので」

 14歳でのデビューから負け知らずで史上最多29連勝を達成した少年も7月に20歳になるが、本人は年齢による区別を嫌う。

 「10代でなければできないことはないと思いますし、成人しなくてはできないことも多くはないです。成人が区切りになって将棋との向き合い方が変わることはないと。(今後の人生設計は)長期的な考えはなく、プレーヤーとして棋力を高めることが中心になります」

 昨年は「雲外蒼天」「昇龍」などの揮毫を選んできたが、今年の新年の誓いは「道」の一文字だった。

 「強くなることを目標に取り組んで来ましたので、その道をブレないように、見据えて進んでいきたいです。どういうことをすれば強くなるのか、という決まった方法があるわけではないので、試行錯誤しながらですけど。でも、その分、前に進んだ時の充実感はあるのかなと思います」

 「道」と言えば、無類の鉄道ファンでもある。

 「タイトル戦では行ったことのない所に行かせていただけるので、自分にとってはひとつの楽しみになっています。昨年は函館本線で札幌から旭川まで行った時、車窓からの景色が素晴らしくて印象に残っています。今度の王将戦でも栃木、佐賀、島根、新潟といずれも初めて行く所なのでとても楽しみにしています」

 成人しても愛知を拠点にした生活を続ける。今年も東京や大阪へと走る鉄道に乗りながら、将棋道を疾走する。

将棋・囲碁

個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請 報知新聞150周年
×