スポーツ報知の記者が2022年に各界でブレイクしそう、バズりそうな選手、芸能人を紹介する企画「2022年スバリ!バズり予報」。安藤理記者編です。
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迷いのないコメントに何かを予感させられた。広島・中村奨成捕手は来季も外野との併用を告げられ、言い切った。「僕の中で、そこを狙いにいく気持ちが強い。外野でレギュラーを」。鈴木誠のメジャー挑戦で生まれるチャンスにロックオン。今季は初安打や初本塁打を放ち、39試合の出場で打率2割8分3厘、2本塁打。ステップアップにほっとした様子はなく「立場的に危ない。なんとか(首が)つながった」と危機感たっぷりの姿も印象的だった。
ドラフト1位で入団し、4年が経過。「捕手への思いを捨てたわけじゃないけど」とこだわりよりも生き残る道を考えた。最近では、ソフトバンクの栗原陵矢が捕手からの転向に成功。19年に主に代打で頭角を表し、20年は外野や一塁で一気に飛躍した。決して「捕手失格」ではなく、出番に飢えた結果。中村奨も「どっちかで結果が出れば、そっちをやればいい」と同じ考えで5年目に挑む。
代走でも起用されていたように、俊足も隠れた武器だ。打って走って、肩も強い。分かりやすい外野手のスター要素は秘めた22歳。確かに今季の守備は不安だらけだったが、急造外野手だった。プロに入ってから挑戦し、どんどんうまくなった例は過去にいくつもある。本人の意欲からも上達を期待したい。
今季のハイライトは5月19日の巨人戦。チーム内の新型コロナ集団感染により試合直前にプロ初マスクが決まり、大活躍した。九里を完投勝利に導き、プロ初打点が決勝打。広陵高3年の夏に甲子園で6本塁打の大会記録を作ったように、目立つべきところで目立つスター性にも魅力を感じる。今回もチャンス到来を逃さないのでは。「強肩強打の捕手」から“イメチェン”でのブレークが楽しみだ。
(プロ野球遊軍・安藤 理)
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