ICE LINKとは?
フィギュアスケートを愛するすべてのみなさまに向け、スポーツ報知がお届けする会員限定コンテンツです。選手の生の声とともに、最前線で取材を重ねる記者、カメラマンから届く、様々な物語や瞬間を切り取った一枚など紙面では見られない“とっておき”をお楽しみください。スケートリンク(SKATING RINKS)と読者をつなぐ輪(LINK)のような存在となることを目指します。
◇北京五輪代表選考会・全日本選手権 一夜明け(12月27日、さいたまスーパーアリーナ)
女子で2位に入り初の五輪代表に内定した樋口新葉(明大)が、一夜明け会見に臨んだ。ショートプログラム(SP)74・66点で2位、フリー147・12点で2位となり、合計は非公認ながら自己ベストを大きく更新する221・78点。4位で涙をのんだ前回平昌五輪代表選考会からリベンジを果たし、北京五輪ではショートとフリーでのトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の成功にも挑む。会見の樋口の一問一答は以下の通り。
―4年前の一夜明け会見と心境をくらべて
「いやぁ、4年前の一夜明けの記憶はマジでなくて。もう…なんだろう。ネガティブなことしか考えてなかったので、全く、真逆になって良かったなと思います」
―北京では自己ベストを出したいと言っていたが、順位的な目標は
「えっとぉ、本当に何も決めてないというか、本当に今回の全日本もそうだったんですけど、本当に結果がついてくるものだったので、あの、とにかく230点出せるように頑張りたいです」
―五輪までの調整は
「え~、そうですね。あの、1か月全く試合がないので。あの、その中で自分の自信が無くならないような、本当に自信を持って挑めるような練習をして行きたいのと、あのアクセルの成功率もう少しあげたいっていうふうに思います」
―(親交の深い)池江璃花子や平野美宇からは連絡が?
「来ました。いや、『本当におめでと~う』みたいな感じで、絵文字がめっちゃつけられてて。『ありがとう』という風に送って、本当に、『3人ともこれでオリンピックにいけたね』って言ってもらいました」
―オリンピックではショートから3回転半を入れて?
「はい、そうです」
―その上で230点以上を狙っていく
「そうですね」
―4年前は勝ちにこだわっていて、今はスケートしっかり向き合えているという話ありましたけれども、その転機は
「う~~~~ん、転機というか…本当に、こんなに自分が勝ちにこだわり続けても、勝ちに行けないっていうのがわかったので、逆に、本当に自分がやりたいことをやって、本当に楽しいだったりとか幸せっていう気持ちを、練習から出していけるように、それを感じ取りながらすべてを、こうポジティブに捉えられるようにっていうふうに思いながら、まぁ特にこの一年間はできたなあっていうふうに思います」
―今の方が幸せですか
「はい。今の方が幸せです」
―『オリンピックに挑戦するのは今回が最後ぐらいの気持ちで』とおっしゃってましたけども、どのあたりでそんな心境に
「えぇ。そうですね、もう本当に4回転跳ぶ選手がたくさん出てきているので、そういうのも含めて、現実的にやっぱり自分が挑戦するのは最後っていう風に決めないと、ここまで頑張れないっていうふうに思ったので。本当にそれは今シーズン入ってからそういう風に思いました」
―今回もしダメだったらもう現役やめるくらい?
「えっと、引退するつもりはまだなかったんですけど、こう、もうなんか『やってる意味がない』っていうふうに思うちゃいそうだったので。だからこそ、本当にオリンピックだけじゃないっていうふうにも思いながら練習もしてましたし、だけど、これが最後っていうふうにもう決めて、頑張ることができました」
―トリプルアクセル成功するために、何が必要
「えっとぉ、今回の全日本でも、まだまだこう軸がぶれてしまったりとか、踏切がちょっといつもと違う方向に行っちゃったりすることがあったので、そこ本当にいつも同じ感覚で跳べるっていうことを練習するのと、あとはもう、あのスピードに乗らなくても飛べるような練習っていうのをしていきたいです」
―具体的に言うと
「やっぱり、今はまだちょっと思いっきり力を入れて、もうアクセルのことだけを考えてアクセルに向かうみたいな、風にしかジャンプが跳べないので。そうじゃなくて、こう余裕を持って、どんなステップであってもその後にアクセルが飛べたりとか、スピードが落ちちゃって疲れてきてもアクセルが跳べたりとかっていうことができてくれば、あの1番最初に飛んだら、あのすごく成功率が上がると思うので。あのそういうことを考えながら練習をしたいなというふうに思ってます」
―アクセルを跳ぶために、食事やフィジカル、ここを気を使ってたなどは
「えっとぉ、踏切の感覚だったりとか、腰の回る感じとかっていうのを、トレーニングにも取り入れたりとかして、あの本当に、氷上のコーチともそうですし、あの陸トレの先生とも相談しながら色々と教えてもらって。あの、トレーニングしてました」
―念願のオリンピックの舞台。オリンピックっていうの舞台はどんな舞台だと今改めて思い、どんな舞台にしたいと思っているか
「本当…に、夢の舞台…だったので。そこで、あのそこに立てただけではなく、そこでやり切ったっていう風に思えるような演技だったり、あの、その期間を過ごしたいなっていうふうに思います」
―新葉さんにとってスケートをっていうものがどんどんどんどん変化してきたんじゃないかなと思うんですけど、今フィギュアスケートを演じるっていうことは
「いや本当に、今までのプログラムでは、あのその物語だったりとかっていうのを演じてきたんですけど、今年は本当に自分の今までのスケート人生を全て、ええ見せれるような、あのぉプログラムにしたいというふうに思ってあの練習してきているので。なんかそれを感じ取りながら練習もできてますし、試合にも臨めているし、もうなんか全部のシーンで、練習してる時も試合の時も、そうじゃない時も、あのすごくなんか『充実しているなー』っていう風に感じてるような、あの生活ができているので。それがすごく本当に、今回、いろんなことが変わった要因かなっていうふうに思います」
―世界ではロシアの選手が4回転もたくさん跳んで、見ていてどのような思いを
「そうですね。今自分もトリプルアクセルを、がんばっているんですけど、あのそれだけではなくて、4回転にも挑戦していけるようにっていう風には、あの気持ちは今はあるんですけど、とにかくオリンピックでアクセル1本と他のジャンプで戦っていけるような、あの風になるために、あのうまぁ、ひとつ1つのあの精度を上げていきたいなっていうふうに思っています」
―ロシアの選手たちの演技とかっていうのは参考にすることとかは
「そうですね。あの本当、ファンというか、スケートオタク的な感覚で、ロシアの選手を見ることが多くて。本当にすごいなあっていうふうに思ったりとか。あとはまあでも、締めるタイミングだったり、ジャンプ跳ぶ感覚っていうのは、あのスローで見たりとかして、すごく勉強にはなってます」
―ワリエワの演技の印象
「いやぁ…。ありえないっていうか(笑い)。本当に、もうなんか人間超えちゃっててすごいなあっていうふうに思います」