羽生結弦「五輪は発表会じゃない」男子94年ぶり3連覇へ決意表明「勝たなきゃいけない」

スポーツ報知
エキシビションに登場した羽生結弦(カメラ・矢口 亨)

 フィギュアスケートの北京五輪代表最終選考会を兼ねた全日本選手権から一夜明けた27日、連覇し代表に決まった羽生結弦(27)=ANA=が、男子94年ぶりの五輪3連覇へ強い意欲を示した。「五輪は発表会じゃない。勝たなきゃいけない場所」と決意表明。前人未到のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)を携え、94年ぶりの快挙に挑む。この日、さいたまスーパーアリーナで、羽生ら全日本選手権の上位者、北京五輪代表によるエキシビションが行われた。

 羽生の体内から一度消えかけた五輪3連覇への熱量が、猛烈な勢いで上昇した。

 「五輪って、やっぱり発表会じゃないんですよ。やっぱ勝たなきゃいけない場所なんですよ、僕にとっては。だからこそ、また強く、決意を持って、絶対に勝ちたいなって思いました」

 平昌五輪で66年ぶりの連覇を達成した。あれから4年。ギリス・グラフストレーム(スウェーデン)以来となる男子94年ぶりの偉業へ、世界初の4回転半ジャンプを携え向かう。

 26日の全日本選手権のフリーでは4回転半ジャンプに実戦で初挑戦し、回転が足りずに3回転半の扱いになったが着氷した。人類初の大技成功が金メダルへの一つの鍵になる。「しっかりGOEをプラスでつけられる構成にしたい」。羽生のフリーの4回転はアクセルを含むサルコーとトウループの3種類4本。試合で決めたことがある高難度のルッツとループは封印している。「4回転半とルッツや、ループとかっていう構成は現実的ではない。ここから1か月しかない中で、やれることは多分アクセルぐらい。詰めて詰めて練習したい」。再び、アクセルのために生きる日常に戻る。

 5種類の4回転を駆使するネーサン・チェン(米国)が世界選手権で3連覇中。「自分は(五輪)2連覇っていうものをすでに持っていて、それを失うことは確かに怖い。負ける確率の方が間違いなく平昌五輪より高いと思う。今のところは…」と自覚する。「4回転半へのこだわりを捨てて勝ちにいくのであれば、他の選択肢もいろいろある」。4回転半の基礎点は12・5点で、4回転ルッツと1点しか違わない“ハイリスクノーリターン”な挑戦とも言える。それでもかなえたい。「4A」は譲れない夢なのだ。

 曲に溶け込ませたジャンプと、表現力は唯一無二。「僕たぶん今、一番うまいです。間違いなく」という自負もある。3大会連続の五輪代表入りが決まった26日夜。「JAPAN」のジャージーに袖を通した。体が熱くなるのを覚えた。「あー、これは勝ちにいくんだな」「勝ちにいかなきゃいけないんだな」。夢の大技成功の先に、新たな夢の続きが広がっている。(高木 恵)

 ◆結弦に聞く

 ―同じ東北で同じ年齢の大谷翔平から刺激を受けることは?

 「フィギュアスケートは23歳だったり24歳ぐらいが全盛期みたいな感じで思われていた。野球は30代前半の方が脂がのっていい時期だという話を聞いたことがある。完全に同年代の選手が、ああやって史上一番たぶんいい出来の状態を保っている。手術後で本当に大変だったり、前人未到のことを自分で切り開いてやっているところを見たり、本当に僕自身、勇気づけられる。僕も、まだ見ぬ世界かもしれないが、4回転半というものに、ある意味1人で挑み続けているので。本当に勇気をもらっている」

 ―フリー後に体の衰えを感じていると言っていた。どんどんうまくなっているように見えるのだが。

 「ハハハ。24~25歳くらいの時に、すごく成長が止まったなって思った時期と、フリーが通せなくなったなっていう時期と、結構あった。でも僕、たぶん今、一番うまいです。間違いなく。それは、たぶんトレーニング方法が自分で確立できるようになった。自分でプランニングできるようになった。そして羽生結弦にとっての、フィギュアスケートのトレーニングが、どういうものかっていうことが確立されて、それを実行できるようになったことが一番大きい」

 ―4回転半成功までの計画について。

 「正直(2018年)平昌五輪の次のシーズンで降りられると思っていた。それぐらいアクセルには自信があったし、4回転半というものがそんなに大変なものだという自覚はなかった。集中してやればやるほど、けがが常に付きまとう。4回転以降を回ることがどれだけ大変かということを改めて痛感したこの4年間だった」

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