◆第66回有馬記念・G1(12月26日、中山・芝2500メートル、良)
有馬記念は、さながら3歳馬エフフォーリアの「最強馬襲名式」のようだった。道中は中団外の理想的なポジションをスムーズに進んだ。残り200メートルで先頭に立ち、古馬も菊花賞馬も寄せ付けず、堂々と押し切るまさに横綱相撲。際立つ強さを見せつけた。
今年は、無敗の3冠馬コントレイルにG1・6勝のグランアレグリア、海外G1・3勝のラヴズオンリーユー、そしてこのレースを最後にクロノジェネシスと、時代を彩った名馬が次々とターフを去った。次の時代を背負うエースが求められていたが、皐月賞馬が天皇賞・秋、そして暮れのグランプリまで制したことで、1強時代の到来を告げたと言っていいだろう。
ただ、年末の悩みもできた。年度代表馬の行方だ。エフフォーリアは今年、G1・3勝を含む5戦4勝。もう一頭の候補ラヴズオンリーユーは、香港G1・2勝に、米ブリーダーズCフィリー&メアターフを制覇。日本馬史上初となる海外G1年間3勝の快挙を達成し、甲乙つけがたい。終わっても当分、頭を悩ませそうだ。
すっきりしないと言えば、有馬記念後にもう1日開催があること。アラフィフ記者の感覚が古いのか、やっぱり競馬の終わりは有馬記念でしょ!? 2歳馬たちには失礼だが、やはり1年の締めくくりはグランプリであってほしい。JRAには一考を願いたい。(松末 守司)