【新春野球記者コラム】東海大相模・原俊介新監督が初めて負けた日…選手へ見せた変わらぬ思いやり

スポーツ報知
東海大相模・原監督

 2021年9月1日。神奈川の強豪・東海大相模を長きに渡り指揮した門馬敬治氏(52)に代わり、元巨人捕手・原俊介監督(44)=前東海大静岡翔洋監督=が監督に就任した。私が初めて原監督を取材したのは9月11日。神奈川大会3回戦、就任後初めてメディアに対応した日だった。

 6回コールド勝ちと圧倒的な力を見せつけた試合後は、大勢の記者が原監督の周りに集まった。途切れることなく、矢継ぎ早に飛ぶ質問。門馬氏に関連する話題や前任校についてなどデリケートなものも多かったが、その一つひとつに丁寧に、時折笑顔を見せながら答えていたことをよく覚えている。

 その後も何度か取材させていただいたが、「生徒のおかげで勝てた」「生徒と同じ気持ちでやっている」と、決まって選手への思いやりを口にしていたことが印象的だった。短期間でのチーム作りにおいて、選手と寮で共に過ごす時間を設けるなど、コミュニケーションを重視していた原監督。ナインからは「野球を色んなところから見て教えてくれる」「よくいじってくれます」などの声を聞き、グラウンド内外で選手に寄り添う姿が目に浮かんだ。

 神奈川大会を優勝で終え、勢いよく乗り込んだ関東大会。センバツ出場当確となる4強入りをかけた木更津総合との一戦で、東海大相模は敗れた。今春センバツで優勝するも、夏は新型コロナの集団感染により神奈川大会出場を辞退。春夏連覇の夢が途絶えた3年生の無念を晴らすべく臨んだ大一番だっただけに、ナインは大粒の涙を流していた。

 試合後囲み取材に現れた原監督は、今までに見たことのない面持ちだった。マスク越しでも分かる、曇った表情。「残念です」「悔しいです」。発せられる言葉の一つひとつが重かった。それでも「選手はよくやってくれた。僕の導き方が悪かったのかなと思います」。本意ではない結果にも、最後までナインを責めることはなかった。

 取材終盤、関東・東京の6校目の代表として選出される可能性を残して迎える「この冬の過ごし方」について聞いてみた。しばらく口を閉ざして、うつむく原監督。そして飛び出した「色々課題はあるが、うまくなった、強くなったと実感できるようにしてあげたい」。どんな時でも選手を思いやる原監督らしい言葉に、一冬を越えた東海大相模のさらなる進化を確信した。(記者コラム・北川 栞)

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