NHK大河「青天を衝け」最終回 「当たらない近代もの」の声はねのけた 期間平均視聴率14・1%

スポーツ報知
NHK大河ドラマ「青天を衝け」タイトルの由来となった、青天を仰ぐ渋沢栄一(吉沢亮)

 俳優の吉沢亮が実業家の渋沢栄一を演じたNHK大河ドラマ「青天を衝け」の最終回「青春はつづく」(26日放送)の平均世帯視聴率が11・2%だったことが27日、発表された。期間平均では14・1%。昨年の「麒麟がくる」の14・4%にはわずかに及ばなかったが、2019年の「いだてん」(8・2%)、18年の「西郷どん」(12・7%)は上回った。

 最終回では、栄一が1923年の関東大震災で救援の最前線に立ち、中国の水害でもラジオで支援を呼びかけた。間際まで冗談を言いながら亡くなり「死後も、私は皆さんの事業や健康をお守りします」とメッセージも。最後まで社会全体の幸せを願った生き様が描かれた。

 ちょうど同じ時間帯には、男子フィギュアの羽生結弦が滑る全日本選手権が放送中。ライバルのテレビ朝日系「ポツンと一軒家」も12・7%と数字を落としている中での健闘だった。大河を録画して、羽生を見たファンも多かったのではないか。

 大河ファンの多くは、いわゆるチャンバラ好き。さらに、主人公は知名度、波乱に満ちた人生という点で、どうしても戦国武将に劣る「経済人」渋沢栄一。演じるのは若手の吉沢亮。番組関係者も「近代ものはヒットしにくい-という声は聞こえていた。思うところはありました」と明かす。

 それでも、フタを開けてみれは明智光秀や西郷隆盛と匹敵する名作になった。同関係者も「最終回を見てジーンと来るものがありました」と振り返る。

 “勝因”の一つに、ダブル主演格だった徳川慶喜(草ナギ剛)の存在がある。同じ時代を生き、終盤に深く交わったからこそ出来たストーリー。SNSなどで「血洗島(栄一の幼少時代)が長すぎた」との声もあるが、慶喜の壮絶な幕末期を細かく描くには、同時進行となった血洗島の展開が長くなるのは仕方ないだろう。

 脚本の大森美香氏は、そこを逆手に取った。栄一のルーツとなる父母の教えを細かく紹介。母のゑい(和久井映見)が栄一少年に「あんたがうれしいだけじゃなくて、みんながうれしいのが一番なんだで」と教え諭す名シーンは、栄一が大人になっても何度も登場した。

 徳川家康(北大路欣也)の存在も大きい。大河に限らず大きなドラマは「最初だけ見てみるか」という視聴者も多い。第1回の冒頭に徳川家康が出てきたことで心をつかまれた層は少なくないはずだ。

 栄一の13歳から91歳までを熱演し「新しい扉がバンバン開いた」と表現した吉沢ら主要キャストとともに、脚本を始めとしたスタッフの智恵と力が結集した作品となった。このコラムを書くために、台本を読ませてもらっても内容の変更が多く、放送用の映像が直前になっても完成していないことがほとんど。そんなところからも、ギリギリまで最善を尽くす裏方さんたちの情熱を感じられ、取材していて楽しかった。関係者の皆様、読者の皆様、10か月間ありがとうございました。

 来年1月3日には総集編(前8時15分)が放送される。

(NHK担当・浦本将樹)

※視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区

芸能

宝塚歌劇特集
NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請
×