【新春野球記者コラム】6年ぶり最下位も牧秀悟に見た希望の光、21世紀初Vへ今永昇太の完全復活が不可欠

スポーツ報知
DeNA 牧秀悟

 三浦大輔監督(48)が就任した2021年のDeNAは、開幕からの出遅れが最後まで響いて6年ぶりの最下位に沈んだ。オースティン、ソト、エスコバーら全外国人選手が開幕時に来日出来ておらず、シーズン中は故障者も続出。5月以降はチームとしての形が見えてきたが、新指揮官にとっては厳しすぎる船出となった。

 その中で、チーム内でMVP級の働きをしたのが、牧秀悟内野手(23)だ。大学日本代表で4番を務めた実績を引っ下げて中大からドラフト2位で加入すると、周囲の予想をはるかに上回るような大活躍をしてみせた。担当記者としても、シーズン終盤は、牧の新たな記録を調べる毎日。次第に比べる選手も長嶋茂雄氏、清原和博氏ら、日本プロ野球史に残る名前が次から次へと出てきた。

 残した記録を挙げるときりがないが、137試合に出場して22本塁打、71打点、打率3割1分4厘。ほとんどの部門で新人歴代10位以内に入り、21世紀の新人ではトップの数字ばかりだった。2月のキャンプ序盤には、ぐったりとした顔でグラウンドに向かう姿があり、「大丈夫かな…」と思ってしまったが、見る目がなかったと大反省。これだけの数字を残しても、三浦監督を初めとした首脳陣からは、ベンチ内での切り替えや、同僚に声援を送る姿を評価する声も多い。早くもチーム内に欠かせない存在になった。

 1998年の日本一を最後に、リーグ制覇から遠ざかっているベイスターズ。21年にオリックスがリーグ優勝したことで、12球団で唯一21世紀の優勝がない球団になった。21年は牧、佐野、オースティン、宮崎らを中心とした打線は、チーグ2位のチーム打率2割5分8厘。流出した選手はおらず、藤田、大田が加入し、今季はある程度の計算がつきそうだ。だが一方で、最大の課題は投手陣。2年連続規定投球回到達の投手がおらず、守護神も固定できず三浦監督や斎藤隆チーフ投手コーチの手腕に期待がかかる。

 その中で、完全復活をもくろむのが、今永昇太投手(28)だ。19年に13勝を挙げた左腕も、20年に左肩手術を受けた影響で2年連続5勝止まり。21年12月の契約更改の席では「もう球団は全てのことをやってくれたので、それに勝つということで応えたい。それに尽きると思います」と覚悟を口にした。

 21年シーズン中、三浦監督が「先発が試合を作れば試合になる」と何度も言っていたとおり、先発投手出身の指揮官だからこそ、先発投手に求めるハードルは高い。その中で、中心的な存在となれるのは、実力と年齢からして今永しかいない。選手会長としてチーム内のリーダー的な役割を担い、かつて侍ジャパンで先発に食い込んだ実績も十分。今永が絶対的エースとして君臨すれば、周囲にも好循環を生むはずだ。

 ローテ候補には大貫、浜口、ロメロ、東、京山、阪口、宮国、上茶谷、坂本ら20代の好素材が並ぶ。実力をしっかり発揮すれば、2ケタ勝利も夢ではない選手ばかりだ。抑えも不透明とはいえ、山崎、三嶋の中堅組が復調に燃え、エスコバー、新外国人のクリスキーも控える。今永の働き次第では、救援陣の登板過多を減らすことにもつながる。

 コーチ陣も石井琢野手総合コーチ、斎藤隆チーフ投手コーチ、鈴木尚典打撃コーチ、相川亮二バッテリーコーチなど新しい顔が並び、チームとして再起を狙う2022年になる。1998年はマシンガン打線が脅威だったが、野村、斎藤が13勝、三浦が12勝を挙げ、大魔神・佐々木が45セーブを挙げるなど、投手陣も安定感があった。

 20年に最下位だったヤクルト、オリックスが21年はともに優勝。三浦監督が「一番下なので、それを武器に来シーズン戦いたい」と話すように、失うものは何もない。投打がかみ合ったときには、21年には見えなかった恐ろしい快進撃が見られる可能性を秘めている。(21年DeNA担当・安藤 宏太)

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