広島から戦力外通告を受けた佐々木健投手に思わぬオファーが届いた。社会人の軟式野球。しかも野手として、地元・静岡の実業団から勧誘されている。「まだ決められていないです」と真剣に悩みながら「(広島時代も)野手をやってみたいなとは思っていました」と本音を漏らした。野球を離れた就職との選択で、将来のことも考え、年明けにも結論を出すつもりだ。
佐々木は育成選手として過ごした広島での4年間、ナックルも操って支配下登録を目指した。実現しなかったが、高い身体能力は注目されていた。187センチのバネのある体で、50メートル走5秒9の俊足。2軍コーチから「野手もやってみないか」と“二刀流”を提案されたこともあったという。今年5月にはチームで新型コロナウイルスの集団感染が発生。2軍の野手は9人ぎりぎりとなり、交代があった場合に備え、控え野手としてベンチ入りした。
そんな能力を静岡・小笠高時代から知る軟式球界の関係者からの誘い。「やるなら外野なのかな。足は速い方。本塁打は少ないけど、外野の間を抜いて二塁打、三塁打を打つタイプだと思います」と自己分析する第2の野球人生への挑戦が決まれば、珍しい転身となる。