【2021年レース回顧】オールカマーでウインマリリンが再び見せた闘争心 横山武史騎手も「根性がある子」

スポーツ報知
オールカマーを制したウインマリリン

 ◆オールカマー・G2(9月26日、中山・芝2200メートル、16頭立て=良)

 1年5か月前に感じた闘争心はやはり本物だった。ウインマリリンはレイパパレに次ぐ2番人気。だが、終わってみればウインマリリンの圧勝だった。2着のウインキートスとは1馬身半差。だが、それ以上の力の差を見せつけた一戦だった。

 3番手のウインマリリンは横山武史騎手の合図とともにギアアップ。前にはロザムールとレイパパレがいた。2頭の間を割ろうと進んだが、馬1頭入るスペースはなく、ギアダウンを余儀なくされた。やむをえずロスを覚悟して、外に出しての勝負。馬が走る気をなくして減速してもしょうがない状態。だが、その不安は一瞬で消えた。「1回引っ張ってもったいない競馬になったけど、それでも勝てたのは馬の力。今日は馬の力だけで勝てた」。ジョッキーもびっくりするほどそこから加速し、先頭でゴール板を駆け抜けた。

 レイパパレは4月の大阪杯で3冠馬コントレイル、最終的にG16勝したグランアレグリアを破って頂点に立った馬。そのライバル相手にこの競馬で勝ちきった。マリリンの底知れない力を感じた。

 思い返せば1年前のこのコラムではウインマリリンのフローラSを思い出のレースに挙げた。20年4月、突風が吹き荒れ、最後の直線では馬に猛烈な向かい風が吹いていた。多くの馬がひるむ中、風に逆らいながらぐんぐん進んだのがウインマリリンだった。4番人気ながら、なみなみならぬ闘争心を見せつけて重賞初制覇を成し遂げた3歳馬。オールカマーで変わらぬサラブレッドの勝負魂を見せた気がした。

 管理する手塚貴久調教師も「反応がすぐできるようになった。鞍上の指示への反応が速い」と成長を感じていた。続くエリザベス女王杯は過去に手術した右ひじが腫れた影響もあり、16着。これは本来の姿ではなく参考外。今年の関東リーディングジョッキーが「根性がある子」と評するマリリンは、本調子なら心身ともにG1タイトルに手が届く位置にある。(恩田 諭)

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