ジャンボ鶴田、秋山準、竹下幸之介と伝承されたジャンピング・ニーはパットかバットか…金曜8時のプロレスコラム

竹下幸之介(右)のジャンピング・ニー・バットが樋口和貞に決まった
竹下幸之介(右)のジャンピング・ニー・バットが樋口和貞に決まった

 DDTプロレス「NEVER MIND 2021 TOUR in SHINJUKU」が12日、東京・新宿FACEで開催され、KO‐D無差別級王者・竹下幸之介が秋山準から伝授されたジャンピング・ニーを初披露して勝利を飾った。

 竹下は秋山、HARASHIMAと組んで遠藤哲哉、樋口和貞、上野勇希組と6人タッグで対戦。秋山がジャンピング・ニー、エクスプロイダーを樋口に決め、そこへ竹下が豪快なジャンピング・ニー。さらにラリアットからジャーマン・スープレックス・ホールドで19分32秒、フォール勝ちを収めた。

 竹下は「ジャンボ鶴田さんから秋山さん、秋山さんから僕にこうしてジャンピング・ニーを継承してくださったことは光栄です。僕が大切に使って継承していきます」とマイクアピール。バックステージで秋山は「ジャンピング・ニーをバッチリ決めてくれた。任せて、しっかり使ってくれれば。俺がぶち込まれることもあると思う。そこは遠慮せず、ぶち込んでもらいたい」と話した。

 ここで気になるのは、ジャンピング・ニーの技の正式名称についてだ。DDTの広報発表は「ジャンピング・ニー・バット」と表記されていた。画期的なことだった。ジャンボ鶴田さんが全日本プロレスでこの技を初披露した時には「ジャンピング・ニー・パット」と紹介された。英語ではPAT(軽くたたく)とBAT(打つ)は同じようで強度が違う。ゴルフのパット(パター)とボクシングのバッティング(頭突き)で見てもバットの方が強い。プロレスでもヘッド・バット、エルボー・バットと打撃はすべてバットだ。なのにニーだけはパットだったことに、少年時代から違和感があった。

 昭和のバイブル「プロレス百科事典」(東京スポーツ新聞社、絶版)でも「ジャンピング・ニー・パット」と載っていた。著者の門馬忠雄さんを問い詰めたことがあった。「技のことを俺に聞かないでよ」と言いながら「鶴田がアメリカからこの技を持ち帰った時に、そう言ったんだから。英語は関係なく、技の名前はそういうもんですよ」と教えてくれた。全日本プロレスを中継した日本テレビの倉持隆夫アナウンサーが「パット」を連呼したことで日本に定着した。

 昭和の鶴田時代は「ニー・パット」、平成の秋山時代は「ニー」という省略形となった。そして令和。正統継承者かどうかは議論が分かれるところだが、今年のプロレス大賞で敢闘賞を受賞した竹下が「ニー・バット」として世間に広めてくれることに期待したい。(酒井 隆之)

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