【巨人】菅野智之、来季目標は200イニング、最多勝、最優秀防御率…稲尾の日本記録に挑む

契約更改交渉を終えて会見する菅野(球団提供)
契約更改交渉を終えて会見する菅野(球団提供)

 巨人の菅野智之投手(32)が16日、来季の無双を誓った。都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、2億円減の推定6億円でサイン。22年の目標に200イニング、最多勝、最優秀防御率を挙げた。防御率タイトルを獲得すれば5度目となり、伝説の鉄腕・稲尾和久(西鉄)に並び史上最多タイ。「まだまだ伸びしろはある」とオフは直球を磨き、選手会長続投で坂本勇人主将と引き続き先頭に立つ決意を示した。

 苦しみを必ず糧にしてつなげていく。菅野は「今年は働けなかったので、本当に申し訳なかったですと(球団に)伝えました」と、プロ初の減俸となる2億円減の6億円でサインした。来季に向けては「200イニングを目標に」とし、個人タイトルは「最多勝と防御率は取りたい」と掲げてフル無双を誓った。

 プロ通算9年間で通算防御率は圧巻の2・39。防御率のタイトルを来季獲得すれば5度目となり、稲尾和久に並びプロ野球史上最多タイとなる。「なかなか今、1点台は難しいですけど、1点台を目標に」。年々、打者のレベルが向上する中で自身2年ぶり4度目の1点台の領域を見据えた。

 今季は前半戦にコンディション不良などで4度の登録抹消があり、東京五輪代表を辞退。オフの準備期間が短く調整が難しい面もあった。トータル19登板で6勝7敗、防御率3・19。「本当に苦しい一年でした」という中でも、後半戦は中4日・中5日ローテで奮闘。ラスト7登板の防御率1・99と意地を見せた。

 今オフは都内でロッククライミング、沖縄・宮古島で砂浜ダッシュを行い手足の指先を鍛える。「ストレートが走っていればある程度、抑えられる自信はある。球速も含めて、まだまだ伸びしろはある」と原点の直球強化につなげる考えだ。

 自主トレに参加予定だった山崎伊は昨年の右肘手術を考慮してG球場でトレーナーと練習するため不参加となったが、阪神・藤浪から志願の連絡を受け「一緒に頑張ろう」と快諾。中川、鍬原と一緒に高みを目指す。

 1歳年上の坂本勇人が主将続投。それを受け「選手会長を辞めるつもりだったんですけど、勇人さんがまだ続けられるということで僕も1年頑張ります、と勇人さんに伝えました」と来季も会長続投。投打の大黒柱で悲願の日本一へ導く。

 昨オフはポスティングによるメジャー移籍を模索。今オフは今季途中に取得した海外FAを行使せず残留を決断した。「(メジャーを)諦めているわけではないですけど、今は目先の一試合一球を大事に。そのことはいったん封印して、目の前の試合に集中していきます」。沢村賞2度の絶対エースが2022年に向けて闘志をギラギラ燃やしている。(片岡 優帆)

  • 稲尾と菅野の比較表

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 ◆神様、仏様、稲尾様 1958年の日本シリーズは、巨人が西鉄に3連勝し一気に王手をかけた。しかし西鉄は第4戦、このシリーズ3度目の先発マウンドに上がった稲尾の完投で初勝利を挙げると、第5戦は4回からリリーフした稲尾がサヨナラ本塁打。第6、7戦も稲尾の完投勝利で、逆転で日本一に輝いた。一人で4勝を挙げる獅子奮迅の大活躍は「神様、仏様、稲尾様」とたたえられた。

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