「ABEMA師弟トーナメント」29日から配信 発案者・佐藤康光九段「あの師弟って、どういう絆なのかな(笑)」

スポーツ報知
佐藤康光九段(カメラ・北野 新太)

 インターネット配信局「ABEMA」の新しい将棋企画「第1回ABEMA師弟トーナメント inspired by 佐藤康光」が29日から配信される。

 「ABEMAトーナメント」や「女流ABEMAトーナメント」に続く早指し非公式戦の第3弾。師匠と弟子の2人1組によるタッグ戦で8チームの頂点を目指す。日本将棋連盟会長・佐藤康光九段(52)が発案した。

 師匠として出場するのは谷川浩司九段(59)、井上慶太九段(57)、森下卓九段(55)、中田功八段(54)、畠山鎮八段(52)、深浦康市九段(49)、木村一基九段(48)、鈴木大介九段(47)。それぞれが指名する自らの弟子とタッグを組んで優勝を目指す。師匠が弟子を指名する師匠サミットが18日午後7時から配信される。

 新企画を発案した佐藤会長への取材を収録前に行った。

 ―企画意図は。

 「ABEMAトーナメントの団体戦が非常に反響が大きく評判も上々だったので、次の企画は、という時に『師弟』というワードが浮かびました。将棋界には師弟関係、一門の絆という伝統が残っていて、独特の制度なので面白いのではないかと」

 ―現場での師匠8人の反応は。

 「年が近い人が多いですけど、みんな喜んでますよ。意気込みを感じます。見渡すと師弟も様々だなあと。密接な交流がある師弟もあれば、ないところもありますので(笑)、今回が(交流の)きっかけ作りになれば(笑)」

 ―佐藤九段は田中魁秀九段門下ですが、兄弟子や弟弟子はどんな師弟関係なのでしょう。

 「ウチはドライといいますか(笑)、性格もバラバラなんですけど、一門の意識はやはりあるんです。誰かの昇段の時とか、ちょっと集まろう、というような家族的なところがあります。それぞれの門下でカラーは違うので、今回自分も勉強したいなと思います」

 ―今回、気になる師弟はどの…。

 「森下さんのところですね。師弟の絆はもちろんあると思うんですけど、話を伺っている範囲では、どういう絆があるのかなと(笑)。楽しみではありますね。フツーの感じではないので。そのへんのチームワークが楽しみです。各チーム、特徴がありますよ」

 ―将棋界の師弟関係ってかなり独特にも思えます。

 「一般的な世界の師弟って、師匠が弟子に技術を教えたり、文化を継承することが前提としてありますけど、将棋界は現役のまま弟子を取るケースが多いので、弟子から刺激を受けて師匠が結果を出したりすることもある。技術的なことより精神的なパワーになったりしますよね」

 ―佐藤九段は師匠とどんな関係だったのでしょうか。

 「私は小学4年から師匠の将棋教室に通って、土日は毎週1泊2日の内弟子というか、住み込みのような時期もありました。非常に影響を受けましたよ。師匠は引退する直前に順位戦で広瀬(章人八段)君を負かしたり…。自分も年を重ねたので、見習わなきゃいけないなと。若い頃には感じなかったことを今は感じるようになりました」

 ―ABEMAの団体戦の反響について。

 「観る将棋ファンがABEMAさんを通じて増加しています。もちろん普段のトップ棋士の活躍も大きいのですが、ABEMAさんによって棋士の魅力がクローズアップされているように感じます。将棋の面白さもありますし、棋士に対する関心が注目されるようになったのかなと思います。団体戦は悲喜こもごもの中で戦いますけど、コロナ禍で人間関係も新たな形が増えて、人と人とのつながりって大事だな~、と思っていたところ、師弟という新しい提案ができるのではないかと思いました。どうぞ宜しくお願い致します」

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