アニメ映画「君の名は。」「天気の子」で知られる新海誠監督が15日、都内で最新作「すずめの戸締まり」を来年秋に公開すると発表した。主人公の声優が決まっていないため、新海ファミリーの上白石萌音、森七菜がゲスト出演した。
キャッチコピーは「扉の向こうには、すべての時間があった―」。新海監督は「日本列島を巡るロードムービー」「扉を閉じていく物語」「映画館に足を運ぶ理由となる作品を作りたい」という3点をポイントに掲げ、「『すずめがあるから映画館に行きたい』と言ってもらえるような作品にしたい」と抱負を語った。
日本各地の廃虚を舞台に災いの元となる「扉」を閉めていく少女・すずめの解放と成長を描く物語。見たこともない風景、出会いと別れ、驚きと困難の数々に直面しながら、それでも前に進むすずめの物語は、不安や不自由さと隣り合わせの日常を生きる人々の旅路にも、一筋の光をもたらす。
日本最高峰のスタッフが集結した。キャラクターデザインは「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の作画監督を務めるなど、日本を代表するアニメーターである田中将賀氏、作画監督は新海作品常連の土屋堅一氏、美術監督は「秒速5センチメートル」「君の名は。」で繊細かつドラマチックな背景を生み出した丹治匠氏が務める。
2016年公開の「君の名は。」は国内興行収入250・3億円、19年の「天気の子」は同141・9億円を記録し、いずれも社会現象を巻き起こす大ヒット。「すずめ―」にはコロナ禍で苦戦を強いられる映画興行の救世主としても期待される。
◆「すずめの戸締まり」 九州の静かな町で暮らす17歳の少女・鈴芽(すずめ)は、「扉を探してるんだ」という旅の青年に出会う。彼の後を追うすずめが山中の廃虚で見つけたのは、まるで、そこだけが崩壊から取り残されたようにぽつんとたたずむ古ぼけた扉。やがて、日本各地で次々に開き始める扉。その向こう側からは災いが訪れてしまうため、開いた扉は閉めなければいけないのだという。不思議な扉に導かれ、すずめの“戸締まりの旅”がはじまる。