箱根駅伝の名門・中大エースの吉居大和が1区出陣へ 超高校級の弟・駿恭の入学も刺激

スポーツ報知
共同取材のため、会場に登場した中大・吉居大和(左から3人目)

 第98回箱根駅伝(来年1月2、3日)で大会史上最多の95回目の出場となる中大が15日、東京・八王子市の多摩キャンパスで公式会見を行った。藤原正和監督は「学生が掲げる目標は5位。上位校は強いですが、流れに乗れば5位は可能と思っています。最低限、シード権(10位以内)は獲得したい」と、きっぱり話した。

 目標達成のためのキーマンは、エースの吉居大和(2年)だ。「前回は1区で出遅れ(区間17位)、後手後手に回った。今回は吉居がしっかりやってくれると思います。本人は1区で区間賞を取るつもりでいますので」と藤原監督は吉居の1区起用を明言した。

 吉居自身も箱根駅伝に向けて、準備万全だ。2021年の最大の目標は東京五輪で5000メートル出場だったが、春季シーズンは調子が上がらず、代表入りは遠かった。その東京五輪ではライバルの順大の三浦龍司(2年)が3000メートル障害で7位入賞を果たした。「同学年の三浦君が活躍して、自分との差を感じた。僕も、もっと頑張らなければ、という気になった。東京五輪に出られないと決まった時に箱根駅伝に目標を切り替えて走り込みを続けてきました。昨年までは最長で25キロ走、16キロ走が多かったですが、今年は何度も30キロ走をやりました。前回は3区で自分の走りができませんでした(区間15位)。今回は区間賞を目指して頑張ります。スタートからチームに良い流れを引き寄せたい」と吉居は意欲的に話した。

 吉居の力の源は故郷と家族にある。

 父・誠さんは強豪トヨタ自動車の元ランナーだった。そのため、トヨタの本拠地の愛知・田原市で生まれ育った。「中学時代、毎週土曜日はトヨタさんと同じ競技場で練習していた。トップランナーの走りを間近で見て、いいイメージを持てたことはプラスになっています」

 母・美奈子さんもトヨタ自動車の元ランナーで、1991年には5000メートルで日本ランク79位になった全国レベル。「いつも栄養を考えた食事を作ってくれます」と感謝する。

 2学年下の弟・駿恭(しゅんすけ)は高校トップランナー。一昨年12月の全国高校駅伝では宮城・仙台育英の同僚として共に戦い、全国優勝を果たした。11月に1万メートルで日本高校歴代3位となる28分11秒96の超高校級のタイムで走破した。28分35秒65で日本高校歴代5位(当時)だった大和の記録を超えた。大和と駿恭は、また来季からはチームメートとなる。12月10日に正式発表された中大のスポーツ推薦入学合格者に名前が掲載された。「駿恭は刺激になる存在。絶対に負けられない」と話す。

 実は吉居には、大耀という双子の弟もいる。「あまり速くないけど、中京大で頑張って走っています。僕の試合結果が良かった時は『おめでとう』とすぐに連絡がある。ありがたい存在です」と吉居は柔らかな表情で話した。

 中大は箱根駅伝で優勝(14回)と出場(95回目)の最多記録を誇る超名門。しかし、近年は低迷し、最後のシード権(10位以内)獲得は10年前の2012年大会までさかのぼる。2016年秋の予選会では次点の11位で落選。大会最長の連続出場記録は87で止まった。1925年、元号で言えば大正14年から脈々とつながれてきた伝統の赤いタスキが途切れた。それでも、中大ランナーは走り続け、戦い続けた。翌年度の2018年大会で本戦に復帰し、15位。その後、11位、12位、12位とシード権まで、あと一歩、あと二歩まで近づいた。

 今季はさらに復活へ上昇気配が漂う。予選会を2位で無事に通過した2週間後の全日本大学駅伝で8位と健闘し、10年ぶりに伊勢路のシード権(8位以内)を取り戻した。箱根路でも、8位となった2012年大会以来、10年ぶりのシード復活へ中大チームのムードは高まっている。

 ◆中大陸上競技部 1920年創部。箱根駅伝には20、24、2017年の3回を除き、すべて出場。優勝(14回)、連続優勝(6回)、出場(95回目)、連続出場(87回)の最多記録4冠を誇る。出雲駅伝と全日本大学駅伝は2位が最高(いずれも3回)。タスキの色は赤。長距離部員は選手39人、学生スタッフ11人。主な陸上部OBは東京国際大・大志田秀次監督、創価大・榎木和貴監督、亜大・佐藤信之監督、立大・上野裕一郎監督、16年リオ五輪400メートルリレー銀の飯塚翔太(現ミズノ)ら。主な大学OBは巨人の阿部慎之助コーチ、亀井義行コーチら。

 ◆吉居 大和(よしい・やまと)2002年2月14日、愛知・田原市生まれ。19歳。父・誠さんの影響で小学校3年生から陸上を始める。田原東部中3年時に1500メートル、3000メートルで全国大会出場も予選敗退。宮城・仙台育英高に進み、全国高校駅伝では1年2区2位、2年1区42位、3年3区8位。20年、中大法学部に入学。自己ベスト記録は5000メートル13分25秒87(U20日本記録)、1万メートル28分3秒90(U20日本歴代2位)。168センチ、49キロ。

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