昨年2月11日に亡くなった野村克也さん(享年84)が在籍した阪神、ヤクルト、楽天、ソフトバンク、西武、ロッテの6球団が共同発起人となり、「野村克也をしのぶ会」が11日、神宮球場で開催された。南海時代から親交の深かった野球評論家の江本孟紀氏(74)が弔辞を読んだ。
江本氏は野村さんが1999年から2001年、阪神監督として3年連続最下位に沈んでいた頃のエピソードも、弔辞に盛り込んだ。
「ここ神宮では大げんかもしました。解説者の私が投手起用を恐る恐る批判したときでした。あなたは次の日、神宮の三塁ベンチで私が来るのを待ち構えていましたね。阪神の投手陣の名前を書いた紙を突き出して、『どこに使えるピッチャーがおるんや、言ってみい!』と開口一番、エラい剣幕でした」
口論は収まらず、「結局、シートノックが始まるまで、ベンチで言い争いをしていましたね」と懐かしんだ江本氏。「最下位続きの阪神でやりくりに苦労していたのかもしれません。しかし、この神宮でヤクルトに負けたくなかったのかもしれませんね」。思い入れの強かった古巣に対する野村さんの意地に、思いを馳せていた。