【楽天】足立祐一インタビュー 「やり切った」6年間を振り返る

スポーツ報知
捕手として6年間チームを支えた楽天の足立

 今季限りで現役を引退した楽天・足立祐一捕手(32)が9日、スポーツ報知のインタビューに応じた。26歳でプロ入りし、がむしゃらに駆け巡った6年間を振り返り、忘れられない2試合をピックアップ。来年からはスカウトに就任することも決定し「スケールの大きな選手を見つけたい」と意気込みを語った。また、入団時に担当だった愛敬尚史スカウト(45)がメッセージを寄せた。【取材・構成 長井毅】

 現役生活に別れを告げた足立が気持ちの整理を終えて、胸の内を明かした。

 「後悔がないわけじゃないですけど、ある程度全部やりきったのかなと思っています。(来季は構想外と)言われた時も、『まだやりたい』というよりも『もう潮時かな』という思いの方が強かったですね」

 社会人の強豪・パナソニックから15年ドラフト6位で入団。6年間で通算215試合に出場。打率1割9分5厘、5本塁打、29打点。1年目の16年に73試合の出場が自己最高。その後は出場機会を減らし、今季は10試合で打率5分9厘、0本塁打、1打点に終わった。

 「社会人から入ったので、ある程度自信を持って入ってきましたけど、1年目は嶋さん(基宏、現ヤクルト)のけがもあって試合に出させてもらった。あれがキャリアハイ。試合に出られたことで自信にもなった。おごりではないですけど、そういう(過信的な)ものがあったのかなと。自分では努力していたつもりですけど、1年目にうまくいきすぎたっていうのもあったかな」

 ルーキーイヤーには忘れられない思い出ができた。まずは初安打が生まれた16年5月22日の日本ハム戦(札幌D)だ。3回に大谷の154キロの直球を中前打。プロ4打席目で快音を響かせた。

 「一生自慢できるのは初安打が大谷翔平からだったってこと。懐かしいですね。僕が自慢できるのはこれぐらい。あの時は(大谷が)こんなに活躍するとは思っていなかったですもんね」

 苦い記憶もある。同年6月16日の巨人戦(東京D)では、“天国と地獄”を味わった。6―6と同点で迎えた8回にマシソンから勝ち越し弾を放ったが、その裏の守備で坂本に逆転2ランを被弾し敗戦。被安打18で10失点し「18安打も打たれるのは捕手が悪い」とコメントを残している。試合後、担当だった愛敬スカウトからは電話でこっぴどく怒られたという。

 「愛敬さんからはちょくちょく電話をいただいて、よく怒られましたけど、一番怒られたのが初本塁打を打った試合。このままいけば、お立ち台だなと思っていたら、坂本さんに逆転2ランを打たれた。投手は青山さんで、インコースに3球続けて真っすぐいったんですよ。球界屈指の内角打ちがうまい坂本さんに…。その時は猛烈に怒られましたね。今考えたらあの配球はないなと思いますけどね(苦笑い)」

 10月26日に2軍施設のある泉犬鷲寮で戦力外通告を受けたが、意外と冷静に受け止めた。

 「今年を含め、ここ2、3年ぐらいそんなに成績を残せていなかった。毎年ちょっとやばいなという感じでやっていたので、今回(戦力外通告が)来ても正直驚きはなかったです。『まだやれる』と言ってくれた人もいましたけど、自分のなかでは全部を出してこの結果なのかなと」

 クビを宣告されたと同時にスカウト就任の話があった。球団は足立のまじめな性格や人柄を評価していたからこその要請だった。お世話になった球団に「恩返しがしたい」という思いで決断した。今後はこれまでと同じグラウンドが職場となるが、プレーを見られていた側から、プレーを見る側へと仕事が変わる。現在は着慣れていないスーツ姿でスカウト業務の基礎を覚える日々だが、次なる夢はしっかりと思い描いている。

 「スケールの大きい選手を見つけたい。自分になかったものを持っている選手に魅力を感じるのかな。身体能力が高い選手を見つけると、いいな~って思うのかもしれませんね」

 理想のスカウト像は自分をプロの世界に入れてくれた恩人だ。

 「愛敬さんぐらい、自分が入れた選手に熱くなれるスカウトになりたいですよね。プロに入れました。はい、終わりです、ではなくて。人の人生を左右するし、いろんなところに足を運んで見るということで、手は抜けないですね」

 捕手ならではの視点を生かし、どんな人材を発掘するのか。足立スカウトの“第二の人生”が幕を開けた。

 ◆足立祐一(あだち・ゆういち)1989年9月22日、東京・町田市生まれ。32歳。小山田小3年で野球を始め、投手を務める。小山田中軟式野球部から捕手。桜美林高2年秋に都大会準優勝も甲子園出場はなし。神奈川大からパナソニックに進み、社会人の侍JAPAN選出。

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