【阪神JF】我が強いキミワクイーン 奥村武厩舎の大滝厩務員「馬が第一」

スポーツ報知
キミワクイーンとともに大舞台に挑戦する大滝厩務員

◆第73回阪神JF・G1(12月12日・芝1600メートル、阪神競馬場)

 キミワクイーンを担当する大滝善生厩務員=美浦・奥村武厩舎=は、今年、調教助手から厩務員に転向して初のG1に挑む。昨年まで調教助手だったが、19年夏に右足を複雑骨折したことが原因で馬に乗ることを断念。新たな道を歩き出した矢先にいきなり大舞台に素質馬と立つ。「もちろん、大きいところを勝ってもらいたいという思いはあります。でも、僕がやれることは一連の流れの中の一部でしかない。自分のやるべき役割をしっかり果たすだけです」。冷静に、愛馬とそして自分自身と向き合っている。

 競馬サークルとは無縁の家庭に育った。転機は進路を決める中学3年の冬。競馬ファンの親戚から「騎手をやれば」と言われ初めてこの世界を知った。背が低かったこともあり、「小さくなきゃできない仕事もあるのか」と興味をそそられた。

 騎手の夢は視力の低下などで断念はしたが、馬への思いは日を追うごとに増し、馬術部のある高校、大学へと進学。その時には馬の世界に入ることはもう必然だった。

 今は答えのない世界で答えを探す毎日。自厩舎はもちろん、他厩舎でも自分と違うことをやっている人がいれば、観察し、話を聞きにいく。キミワクイーンは「我が強く」ちょっとしたことで機嫌を損ねるため、洗い場ではブラシを使わず、手でマッサージするように手入れしている。これも「先輩の厩務員がやっていたことを、自分なりに解釈し取り入れています。人間本意にならないよう馬第一で」と話す。

 初の大舞台は2歳牝馬の頂上決戦だ。「小柄だけど小さく見せないし、センスがある。ただ、ここがゴールではないし、この先がまだある。そうなっていくためにもいい状態で出せるように」と、馬優先を貫き愛馬の走りを陰から支える。(松末 守司)

 ◆大滝 善生(おおたき・よしお)1980年9月22日、神奈川・横浜市出身。41歳。麻布大付属高から麻布大獣医学部動物応用科学科。03年にノーザンファーム空港牧場に就職。その後、美浦・高市厩舎、萩原厩舎を経て現在の奥村武厩舎へ。大学の同期には美浦の宮田調教師がいる。

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