【巨人】ドラ1・翁田大勢 甲子園出場エースの兄の壁乗り越えて 新連載「夢は大きくー」(中)

小学6年時にろうきん杯に出場した翁田大勢投手(右)と幼なじみの宮内竜聖さん
小学6年時にろうきん杯に出場した翁田大勢投手(右)と幼なじみの宮内竜聖さん

 巨人はのドラフト1位、関西国際大・翁田(おうた)大勢投手(22)は、8日に東京・両国国技館で行われた「読売巨人軍2021シーズン感謝祭in国技館」で背番号「15」を初披露。菅野とも感激の初対面を果たし、1年目の目標に掲げる開幕1軍、2ケタ勝利、新人王からエースへの道を駆け上がることを誓った。スポーツ報知ではドラ1右腕のプロ入りまでの成長の軌跡を全3回で連載する。

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 両親、姉、兄と、家族全員が西脇工高出身。兄・勝基さん(25)は13年に同校を初の甲子園に導いたエースだった。進路を決める際、父・八寿男さん(54)は、兄と比較されることを心配したが「比べられるのは分かっていた。絶対しんどいと思いましたよ、けど大勢なら乗り越えられると思ったし、乗り越えたらもっと大きく彼自身が成長してくれると思った」。大勢は「違う高校に進学して、甲子園に行きたい」と両親に反発したが、幼なじみの言葉が決め手となった。

 同級生の宮内竜聖さん(21)は、八千代少年野球クラブでともにプレーした幼なじみ。小学6年時は、「ろうきん杯」の予選で優勝し、本大会に進出した。決勝まで進めば甲子園でプレーできたが2回戦敗退。それでも憧れの聖地で7分間ノックを受けたことは、2人にとって一生の思い出となった。中学は別々のチームだったが、2人は「一緒に甲子園に行こう」と約束。進路に悩んでいた大勢は、幼なじみの後押しもあって西脇工進学を決断した。

 しかしその後、宮内さんは両親と話し合いの末、阪神・近本、楽天・辰己ら多くのプロ野球選手を輩出してきた社(やしろ)高に進学することに。当時を振り返り、宮内さんは「一緒にプレーしたいと思っていたのは本心なんですけど、裏切ってしまったみたいになって申し訳なかったです」。それでも高校入学後も友情は変わらず。大勢は「昔と変わらず連絡はしょっちゅうしてます。応援に来てくれたり、ありがたいです」と感謝を忘れない。

 高校進学後は壁にぶつかった。「“翁田の弟や!”と何もしていないのに注目されてしまった」。『兄はこうだった』と立ち方や投げ方を指摘され、「兄と違う自分ではダメなのか」と、両親に反抗することもあった。それでも「兄がきっかけで応援してくれる方も多かったので頑張れた」。期待を力に変えて、1年春からベンチ入り。甲子園出場とはならなかったが、2年秋から本格的に投手を始め、投打でチームをけん引した。

 西脇工・木谷忠弘監督(48)は教え子初のプロ誕生に感動する一方、兄と比較され続けた当時の苦しみを知るだけに優しくエールを送った。「どこで投げても同じ野球、どのユニホームを着ていてもどの球場でやるにも同じ野球じゃないですか。周りにどう思われてるとか気にしないで、自分のやりたいようにプレーしてほしい。純粋に野球をしてくれるだけで満足です」

 4番で高校通算14本塁打を放つなど、注目を集めてプロ志望届を提出したが、指名漏れ。それでも「やるしかない」と気持ちを切り替えた大勢。4年後に指名を勝ち取るべく、関西国際大学へ進学した。(つづく)

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