100周年の宝塚花組新トップコンビは「すごい役者たち」「キャッチボール見えた」

スポーツ報知

 宝塚歌劇花組発足100周年の記念公演は、文字通り「百花繚乱」。トップスター・柚香光(ゆずか・れい)と、その2代目相手役・星風まどかを中心に、本拠地の兵庫・宝塚大劇場で色とりどりの輝きを放っている(13日まで)。「元禄バロックロック」の谷貴矢氏、「The Fascination!(ザ ファシネイション)―花組誕生100周年 そして未来へ―」の中村一徳氏の両演出家に、作品に込めた思い、新トップコンビの評価を聞いた。(ペン&カメラ・筒井 政也)

 宝塚歌劇創立(1914年)、花組・月組2組制導入(1921年)は、ともに大正時代。昭和、平成、令和と時代は流れ、歌劇の演出や技量は進化を遂げたが、観客を楽しませる使命は不変。改めてそう思わせた、夢心地感にあふれるオリジナル2本立てだ。

 「元禄―」は、誰もが使ってみたい「時を巻き戻せる時計」が「忠臣蔵」に影響を与えるSF歴史ファンタジー。「様々な愛の形が散りばめられている作品。見終わった後に爽やかな気持ちになっていただけるのでは」と、魔性の時計を生み出すクロノスケ役の柚香。「もしも」は現実から異世界へと旅ができるパスワード。女性だけで演じる宝塚歌劇の本質の部分でもある。

 花組は昨年から、コロナ禍で公演の延期、中止に泣かされた。谷氏は「花組が大変だったこともあって、ハッピーエンドの話にしたかった。普通のラブコメのミュージカルも考えたんですが、ハッピーとは程遠い題材を、主役(柚香)の力で捻じ曲げるファンタジーなら面白いのでは」と、12月前後の時期でもあり、忠臣蔵を「花のお江戸」らしくポップに変化させた。

 柚香、星風には「毎回、同じことをするな」と告げ、連日、目を光らせているが「キャラクターの芯は大事に、自由にやっている。すごい役者たち」とライブ感を楽しんでいるという。

 一方のレビューは「魅力」の英語で、今の花組の満開ぶりを伝える。宙組トップ娘役時代から三拍子そろう星風は、現役屈指のダンサー・柚香との息もピッタリ。中村氏は「なかなかのいいコンビ。柚香さんは自分が納得するまで努力し、それを昇華させるために真摯(しんし)に取り組み、星風さんも受け取ってくれる。キャッチボールが見えた」と目を細めた。

 花組100周年記念のオマージュ企画では、「ダンスの花組」の代名詞だった元トップスター・大浦みずきさん(09年死去、享年53)が中心となった「ピアノ・ファンタジィ」(88年)、楽曲「心の翼」(85年)を“復刻”。当時との優劣など問う必要はないだろう。当時の公演にも関わったベテラン・中村氏は「決してコピーではなく、今の彼女たちの感性でやってもらう方が、かえって歴史がつながるような気がした」と、現在の100%を評価した。

 リアルな世界では時は戻せないが、思いを継ぐことはできる。中村氏は柚香の姿勢に感嘆した。「一番覚える量が多くて、しんどいはずなのに、通し稽古が終わっても休憩せず、下級生、娘役まで捕まえて指導していた。舞台上のカッコよさ、素晴らしさとかじゃなく、彼女の純粋さ、ひたむきな姿に感じ入った」。種に水を与え、光を当てて花を咲かせる。28代目の花組トップは節目の年に、次なる100年史も見据えている。

 東京宝塚劇場公演は来年1月2日~2月6日。

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