歴代過去最高のリーグ3位 大躍進の神戸を支えた三浦淳寛監督の「キャプテンシー」

スポーツ報知
神戸・三浦淳寛監督

 試合中、選手の肩に手を回し指示を伝える。神戸・三浦淳寛監督のそんなシーンを今季は何度も目にした。昨年9月にフィンク前監督の退任を受け、強化部門のトップにあたるスポーツダイレクターから指揮官に就任。シーズン通して指揮を執るのは初めてだったが、リーグ戦ではクラブ歴代最高順位となる3位に終わり、来季のアジア・チャンピオンズリーグの出場権も獲得した。

 個人としても、Jリーグによる「月間優秀監督賞」を2度受賞。主将の元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタや今夏に加入した日本代表FW大迫勇也など優れた個の力がかみ合っての躍進ではあるが、三浦監督の功績も大きい。顕著だったのは、出場機会に恵まれなかった若手を“再生”させたことだ。

 中でも大きく飛躍したのは、下部組織からトップ昇格6年目のMF中坂勇哉。リーグ戦わずか2試合の出場に終わった昨季から一転、今季は28試合3得点。定位置獲得には至らなかったが、攻守への貢献度は高かった。

 活躍の裏には指揮官の熱い指導があった。4月のオンライン取材で中坂の話題になると「もっとプロ意識を持って、朝起きたらやることは心の準備だ。早めにグラウンドに来て体の準備をすること。それを1年間絶対やれ」と伝えたことを明かした。「高校生みたいな感じですけど『朝8時に(練習場に)来い』と言ってます。昨年までと違って取り組む姿勢が変わった。今年にかける彼の気持ちが表現できている」。中坂自身も「練習への入りがスムーズになった」と、練習が始まる90分前から準備に時間を割くことでの変化を感じたという。

 厳しくも、熱意が伝わる言動に影響を受けた若手は、期待に応えるように練習や試合で高いパフォーマンスを発揮する。そうした好循環がチームには生まれていた。指導キャリアはほぼないなかで全力で選手にぶつかっていく姿は、まるでキャプテンのようにも見えた。

 小中高だけでなく、プロでも主将を務めた根っからのリーダー気質。名門・国見高の恩師である小嶺忠敏監督=現長崎総合科学大付高監督=は「本当に謙虚で努力家。50年以上指導者をやっているけど、あんな生徒はいない」と振り返る。三浦監督は「主将として全体を見る目だったり、皆それぞれ性格が違う中で『この人にはどういう声をかけないといけないか』と考えることは今に生きていると思う。主将をやってきて良かったなと思いますね」と、これまでの経験が監督業につながっていると強調した。

 クラブは今季の戦いぶりを高く評価し、続投を決定。神戸で1シーズンを戦い抜いた指揮官は、2016年のネルシーニョ(現柏監督)以来となった。通算3季目も、今年以上の「キャプテンシー」を発揮してくれるはずだ。(記者コラム・種村 亮)

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