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コントレイルの強さと美しさ “競馬知識ゼロ”新人記者がトレセン取材で触れた無敗3冠馬

今月2日、北海道に旅立つため、滋賀・栗東の厩舎から馬運車に乗り込むコントレイルと見送る福永祐一騎手(右)
今月2日、北海道に旅立つため、滋賀・栗東の厩舎から馬運車に乗り込むコントレイルと見送る福永祐一騎手(右)

 思わず耳を疑った。今年の春に入社し、競馬担当になって約1か月が経った頃。コントレイル(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎、父ディープインパクト)が年内で引退するという知らせが飛び込んできた。“競馬知識ゼロ”に等しい私でも、昨年の偉業はニュースで見聞きしていた。「あんなにすごい馬がもう引退?」先輩たちは冷静に取材を進めていたが、私は寂しさを感じていた。

 

 翌週の滋賀・栗東トレーニングセンターでの取材では、主戦の福永祐一騎手が引退に言及した。「フランスだったらもう引退していてもおかしくない。この馬は種牡馬としての期待、価値も高い。競走馬としての役割だけを課せられる馬じゃなくなった。それは名誉なこと」。そのとき初めて、世界基準では決して早すぎる引退ではないこと。そして、コントレイルは競馬の未来を背負う存在であることを知った。

 

 史上3頭目の無敗3冠馬を初めて見たのは、その発表から数週間後。調教のため馬場に向かうところだった。調教の際、競走馬はそれぞれの番号が書かれたゼッケンを着用する。G1を勝った馬のみ、そこに馬名とG1勝利数と同数の星が加わる。「コントレイル」の文字と4つの星が目に入った瞬間、思わず足を止めた。風格を漂わせて堂々と歩く姿に、見入ってしまったことを覚えている。

 

 ジャパンCで有終の美を飾った翌週の12月1日。福永騎手は改めてレースを振り返り、「とにかくすごい馬。脚元に不安があったことはなかなか伝わらない。だからこそあの馬の頑張りに感動した」と相棒の奮闘をたたえた。「無事に騎乗することしか考えていなかった。それがあの馬に返せる、俺ができる唯一のこと」。その言葉からは、人馬一体で歩んできた軌跡と、鞍上がラストランに込めた思いが伝わった。

 

 この日はコントレイルのトレセン出発前日でもあった。最後の乗り運動を終えたということで矢作厩舎に取材へ行くと、スタッフの方がご厚意で2ショットを撮影してくれた。数十センチの距離で見る馬体は想像より細身で、どこにも無駄がない。青鹿毛が艶やかで美しく、光輝いていているようだった。驚いたのが、初対面の人間が近付いても全く暴れなかったところ。この利口さが、華々しい実績につながっていたように感じた。

 

 私は取材拠点が西日本のため、天皇賞・秋もジャパンCも生で観戦することはできなかった。それでも、短い取材期間ではあったが、名馬の強さや美しさに触れることができた。スマートフォンに保存された2ショットは一生の宝物だ。コントレイルの新しい馬生の成功を祈るとともに、将来、産駒が3冠を達成する日を楽しみにしている。(中央競馬担当・水納 愛美)

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