【巨人】宮本和知氏 女子新チーム発足に携わり「2月のキャンプで一緒に」練習を計画

18年6月、女子プロ野球・ディオーネ(当時)所属の日本のエース・里綾実(右)を指導する宮本和知氏
18年6月、女子プロ野球・ディオーネ(当時)所属の日本のエース・里綾実(右)を指導する宮本和知氏

 巨人が女子硬式野球チームを新設することが6日、分かった。2023年からのリーグ戦参加を目指し、すでに来年3月に卒業予定の大学生2人、高校生2人の計4選手との契約が内定。この4選手を第1期生としてチームを編成していく。今季まで投手チーフコーチを務め、巨人の新チーム発足に携わる宮本和知球団社長付アドバイザー(57)が、スポーツ報知に女子野球に対する思いを告白した。競技人口が増加している女子野球を支援する必要性を強調し、「いつかはプロのリーグを作ってあげたい」と夢を描いた。

 * * *

 女子にも夢のステージを作ってあげたい―。女子野球を応援するようになったきっかけは、自分が少年野球チームを持ち、女子野球に触れる機会が多くなったからです。彼女たちに、誰の影響で野球を始めたの?と聞くと「お兄ちゃん」って言うんです。野球をする所に妹が付いて行く。グラウンドで砂いじりをする。そこにファウルボールが飛んできた、そのボールをお兄ちゃんに返す。それが女子野球選手のきっかけなんです。

 彼女たちは徐々に投げること、捕ることも覚える。お兄ちゃんたちにはNPBという目標がある。じゃあ女子はどうなるの?って。僕は最終的にNPBは妹たち、女子を見なきゃいけないと思う。なぜなら、あなたたちが野球のきっかけを与えたのだから。

 現在、高校の硬式チームは昨年32校から現在は43校、来春には50校近くに増える予定です。大学は8つで、クラブチームは21チームある。女子野球人口は増えているのに、女子プロ野球という目標がなくなった。彼女たちの目標になるトップステージを作ってあげたい。巨人が女子野球を創設することが、女子野球界の土台になると思います。今後、彼女たちの将来を思って女子を応援することも大切。だから、応援する。

 今は少子化で野球人口が減少しているのが現実。私のチーム(葉山巨人軍)も当初は90人ぐらいいましたが、12年ほどたち今は30人ぐらい。少年、少女野球は、ご両親の協力がなくてはチームが運営できない。試合の時は配車などの当番もあるし、丸一日中、日陰もない所にいないといけない。(時間がとられるから)子どもたちに野球をさせてあげられない、ということも少年野球で起きています。

 今後は人口が増え続けている女子硬式にターゲットを置き、女子野球チームを支援、応援する。「父と子のキャッチボール」に加え、「母と子のキャッチボール」も増やしたい。女子選手たちが将来家庭を持った時、野球を経験されたお母さんだったら状況も理解してくれますからね。

 また、国際的に見てもSDGs(持続可能な開発目標)は17の項目があり、5つ目に「ジェンダー平等」がある。伝統あるプロ野球の中心である巨人軍が女子と男子とも融合したチームを作ることで、スポーツ界からジェンダー平等の推進を発信していくことが大事だと思っています。

 彼女たちは野球の指導に飢えています。練習がしたくて仕方がない。来年2月の巨人春季キャンプでは(内定4選手が)男子と一緒に練習をすることも考えています。いつかはプロのリーグを作ってあげたい。そして、お兄ちゃんが、「よし、お前は女子のプロ野球を目指せよ」というところを目指したいです。巨人軍の女子野球創設が発展の一つのきっかけになればと思います。(巨人軍球団社長付アドバイザー・宮本和知)

巨人

個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請 報知新聞150周年