阪神は4日、オンライン開催したファン感謝デー内で、来季の新主将に坂本誠志郎捕手(28)が選ばれたことを発表した。球界で例を見ない選手間投票でのキャプテン選出。プロ6年間で通算188試合しか出場していない伏兵はサプライズ当選に「びっくりしましたけど、しっかりやりたい。一つの勝ちをみんなで喜ぶ、一つの負けをみんなで悔しがる、そんなチームにしていきます」と所信表明した。
自民党の総裁選を参考に井上ヘッドコーチが考案した「キャプテン総選挙」。11月10日の全選手による第1回投票で、坂本、今季主将の大山、選手会長の近本の上位3人が最終候補に。この日の決選投票では坂本が大多数の支持を集めた(得票は非公表)。
実績からすれば驚きの結果だが、履正社高、明大、大学日本代表で主将を務め、矢野監督も「キャプテンシーは本当にある。多く試合に出てきていない中で選ばれるのは、そういうところが評価されている」と納得した。虎のアイデアマンとも呼ばれ、今年は本塁打を放った選手の首にかける「虎メダル」を発案。この日は6日に53歳の誕生日を迎える指揮官を手作りケーキで祝福し、「みんなで作りました」と音頭を取った。
「今年は(日本一の)ヤクルトが同じ方向を向いて戦っていた。良い部分は吸収してやっていきたい」と新キャプテン。前代未聞の試みで矢野阪神の絆は深まった。(小松 真也)
◆坂本 誠志郎(さかもと・せいしろう)1993年11月10日、兵庫・養父市生まれ。28歳。履正社高、明大を経て15年ドラフト2位で阪神入団。今季はシーズン終盤に11試合連続で先発マスクを被るなど、自己最多45試合に出場し、打率1割8分5厘、1本塁打、6打点。176センチ、77キロ。右投右打。来季年俸2200万円。