仙台大アスリートの胃袋支える絶品コロッケ&メンチカツ 宮城・船岡「郷家精肉店」の郷家まゆみさん

スポーツ報知
郷家のおかみ、郷家まゆみさん

 明治時代から100年以上続く宮城・船岡の「郷家精肉店」(柴田郡柴田町)。東北唯一の体育大学・仙台大の近隣に店を構え、アスリートたちの胃袋を支える。学生たちに愛されるおかみさんは、郷家まゆみさん(63)。「ママさん」の愛称で親しまれるまゆみさんは、1年で最も繁忙期となる12月も学生たちと乗り越え、75歳まで“現役”でいたいと夢を描く。

 まゆみさんの朝は1300個のコロッケ作りから始まる。精肉店だが、国産のブランド肉のほかに、約20種類の手作りの揚げ物と総菜が並ぶ。創業100年を超える老舗には全国からの注文も絶えないが、「うちは仙台大でもっているようなもんです」とまゆみさん。JR船岡駅が最寄りの仙台大と駅の中間に位置する郷家には日々、学生たちの来店が絶えない。

 ロングセラーのコロッケは1個61円。コロッケと並んで人気トップのメンチカツは、拳大サイズで181円。当日売り切りで鮮度と味を大事にする伝統スタイルと、学生のお財布にも優しい低価格が人気の秘けつだ。まゆみさんの存在も大きい。10月の世界選手権種目別床で銀メダルを獲得した体操部の南一輝(4年)は、「メンチカツが好きでよく行きますが、ママさんがフレンドリーなのもお店に行く理由」。3年時の誕生日は、メンチカツにろうそくを立てて21歳を祝った。

 まゆみさんを支えるのはお客さんだけではない。「5年ほど前に従業員が退職し、サッカー部がアルバイトで入ってくれた。次の代、次の代と下の学年の子たちが続けてくれています」と現在は全4学年12人のアルバイトが“アシスト”する。東日本大震災では、震災の翌日に営業再開して食料を無料配布した郷家を、サッカー部や柔道部が手伝った経緯もあった。卒業した学生の結婚式にも2度呼ばれ、毎年店主の達良さん(63)と共に学生たちから誕生日も祝われる愛されぶり。「卒業してつきあいが終わるわけじゃない」と語るまゆみさんにとって学生たちは「孫のようなもの」と言う。

 12月に突入し、「今年も1年で一番忙しい暮れが迫ってきた」とまゆみさん。例年12月だけで3、4か月分の注文が入る。年末は深夜3時まで作業が続く。「今年もサッカー部員とOBの子が年末のバイトに入ってくれるので頼もしい」と言う。現在63歳だが「お客さんには58歳で通してるの(笑い)。75歳まで商売できたら」と夢がある。仙台大の胃袋を支えるママが、これからも元気に店に立つ。

(小山内 彩希)

 ◇郷家精肉店(船岡) 宮城県柴田郡柴田町船岡中央2丁目6―38。TEL0224・54・1047。宮城・角田市に郷家精肉本店がある。

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