◆第92回都市対抗野球大会▽1回戦 日本通運3―1パナソニック(1日・東京ドーム)
185センチ、88キロ。日本通運の大型右腕・前田敬太投手(24)が、先発で6回途中まで無失点に抑え、チームの初戦突破に貢献した。
145キロ前後の力のある直球にカーブ、フォークボールなどを織り交ぜ、パナソニック打線に的を絞らせなかった。打者23人に対し、被安打5、奪三振7で無四球。7回1死二塁の場面で降板したが、安定した投球が光った。
「絶好調ではなかったですが、合格点くらいには行っていたと思います」と前田。沢村幸明監督(41)は「ランナーを出しても丁寧に粘り強く投げていた。以前は力で抑えようとしていたが、そのあたりが成長したところ」とたたえた。
今秋のドラフト候補に挙げられながら指名漏れ。一方で、同期の柴田大地投手がヤクルトに3位で指名された。「2人でプロを目指してやっていたので、悔しさ半分、うれしさ半分という気持ちでした。来年に向けてやるだけです」と前田は改めて決意を示した。父親の仕事の関係でシンガポールで生まれ、各地を転々としたのち中学の時に沖縄に移り中部商から専大へ進んだ。異色の経歴を持つ右腕の今後に注目だ。