かぐや姫の「神田川」、梓みちよの「メランコリー」などで知られる作詞家の喜多條忠(きたじょう・まこと、本名同じ)さんが22日午前6時、肺がんのため死去した。74歳だった。
喜多條さんの訃報に接し、歌手の南こうせつが1日、「また一人、大事な戦友を失い、寂しい気持ちでいっぱいです」と追悼コメントを発表した。
かぐや姫時代、喜多條さんの作詞で「神田川」や「赤ちょうちん」「妹」を世の中に送り出した。突然の悲報に「体調不良は知っていましたが、こんなに早く亡くなるとは思っていませんでした。奥様からの留守電で訃報を知って驚いています」と惜しんだ。
最後に会ったのは11月5日、喜多條さんの自宅だった。ベッドにあお向けになる盟友の手を握りながら、1時間くらい話をした。
「二人でもう一度いい歌を作ろうよ、神田川の次は三途(さんず)の川じゃないからね」。南は「冗談を言ったり、昔話をしながら、喜多條さんは涙を浮かべてほほ笑んでいました」と明かした。
「お互い学生だった頃、喜多條さんは文化放送の新人放送作家、僕はペーペーのミュージシャンでした。文化放送近くの喫茶店で意気投合し、『いつかきっと青山にでっかいビルを建てて、みんなで夢を語れる自由なお城を作ろうよ!』と語り合ったのがつい昨日のことのようです」と回想。「僕はこれからもギターを抱えて歌っていくから、ずっと空から見守っていてください。さようなら喜多條忠!」と別れを惜しんだ。