【報知映画賞】前田哲監督「僕は叩き上げ。監督賞には一生、縁がないと思っていました」

スポーツ報知
おしゃれな着こなしでポーズを決める前田哲監督

 今年の映画賞レースの幕開けを飾る「第46回報知映画賞」の各賞が30日、発表された。監督賞は「そして、バトンは渡された」「老後の資金がありません!」の前田哲監督が受賞した。表彰式は今月中旬に都内で行われる。

 監督賞を初受賞した前田監督は、18歳で撮影所のセットを解体するアルバイトから映画界に足を踏み入れ、助監督を10年以上経験した苦労人。受賞の一報に「僕は叩き上げ。叩かれまくってきたので、監督賞には一生、縁がないと思っていました」。苦楽を共にしたスタッフから祝福され「みんなが喜んでくれることがうれしい」と控えめに笑顔を見せた。

 「絶望を生きて、希望を語る」「重い題材を軽やかに」が信条。「『バトン』は血がつながっていない家族、『老後』は家計のやりくりに苦労すること。つらいこと、悲惨なことをエンタメにしたかった。お客さんには幸せな気持ちで映画館を出てほしい」

 「器用に映画を作ろうとするな」「小さくまとまるなよ」。デビュー当時、相米慎二監督(2001年死去、享年53)に言われた言葉を心に刻んでいる。感動物語とコメディーという異なるジャンルの2作品が同時期に公開され、いずれもヒットの目安となる興収10億円を突破。演出力も高く評価され「相米さんにも見てほしかったな…」と思いを巡らせた。(有野 博幸)

 ▼監督賞 藤井道人、石井裕也との三つどもえとなり、2回目の投票で僅差で前田哲に。「大感動の『そして、バトン―』と大爆笑の『老後の―』。監督の腕、さえ渡る」(見城)、「(2作品を)同じ監督が撮ったと思えなかった。驚いた」(LiLiCo)

 ◆老後の資金がありません! 主婦の後藤篤子(天海祐希)は夫・章(松重豊)の給料と自分のパート代で家計をやりくりしている。夫婦そろって失職した上、浪費家の義母(草笛光子)が同居することに。節約主婦が家計のピンチに立ち向かう。

 ◆前田 哲(まえだ・てつ)生年月日非公表。大阪府生まれ。98年に相米慎二総監督のもと、オムニバス映画「ポッキー坂物語・かわいいひと」で監督デビュー。主な監督作品は「ブタがいた教室」(08年)、「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」(18年)。

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