いつか「スマホでも」日本シリーズの熱戦をシェアをしたい…NPB主催試合のネット視聴環境充実を願う

スポーツ報知
第5戦9回無死、オリックスの代打・ジョーンズに左越えに勝ち越しソロ本塁打を打たれマスクに手を当てながらぼう然の高津臣吾監督

 今年の日本シリーズが大熱戦だったことは、改めて書く必要も無い。筆者はネット速報向けに「オリックスの勝ち想定」いや「ヤクルトの逆転勝ち想定」それとも「引き分けあるかも」と何度も記事を書き直し、覇権を分ける1球にキーボードを押す指が震えた。元々、阪急・オリックスファンだったこともあり、25年ぶりの日本シリーズに内勤ながら「仕事」で関われたのは、ファン冥利に尽きる1週間。とても楽しい時間を過ごせた。(願掛けで飲み干す「ヤクルト・Y1000」が足りなかったのかもしれないけれど…。でもおかげで体調はすこぶる好調に)

 ただファン目線で楽しむ中で、残念なことが1つだけあった。スマホで見られる中継がすぐに見つからず、ハイライト動画や、何度もあったしびれるプレーも、あとから探すのが非常に困難だったことだ。

 リーグ戦や、クライマックスシリーズは、こうじゃなかった。パ球団のファンならよく知っていると思うが、ご存じない方のために説明したい。ネットサービスの「パ・リーグTV」を見ると、試合ハイライトや得点シーン、投手が抑えた場面など「誰かに教えたい」瞬間の動画を、会員登録すらなしの無料で見たり、ツイッターなどSNSでシェアできる。さらに有料会員になれば、パの主催試合はCSを含む全試合がライブ中継を見られるのに加え、一部のセ球団主催の交流戦もリアルタイムで視聴でき、さらに12年以降のイニング動画も振り返ることができる。沢村賞・山本由伸の初登板だって、すぐに探せる。これは統一されたプラットフォームの利点だ。

 だからこそ、日本シリーズでは普段と違う視聴習慣に戸惑った。(ソフトバンクファンからしたら「知ってた」のかもしれないけれど、慣れない舞台なもので…。)もう一度「あのシーン」が見たくても、公式に見るすべがほとんどないのだ。

 今年の日本シリーズでは、民放はそれぞれの動画プラットフォームでネット中継した。NHKをはじめとした試合の中継局の野球ツイッターアカウントも、リツイート可能な動画を投稿してくれていた。また各局のニュースサイトにもハイライト動画が掲載された。ファンとしてその努力に頭が下がる思いだが、各放送局頼みであることは否めず、すでに情報の波の中に埋もれつつある。

 「NPB」としての日本シリーズ試合動画は、11月末時点のところない。ファンが涙した第5戦のヤクルト・山田哲人の8回裏同点3ランや、直後の9回オリックス・ジョーンズの決勝ソロも、今となっては探すのに一苦労だ。

 日本シリーズのテレビ放映権料収入がNPBにとって貴重なのは確かだ。そして地上波とBSの力は圧倒的。今回のシリーズが「名勝負ばかり」としてジワジワ広がっていったのも、テレビをつければ誰でもすぐ見られるからだ。この環境づくりは「スマホ」では難しい。だが今の時代はファンの「SNSシェア」が盛り上がりを作っていく側面もある。NPBとして「日本シリーズ」という商品(興行)の価値を上げるためにも、「ファンが広める」効果にもぜひ着目して欲しい。

 良質なオフィシャルコンテンツを作ることは、なにより違法な動画類を撲滅する強力な契機にもなる。あとから見直せる公式の動画をシェアする文化を作るためにも、NPB主催試合のネットでの視聴環境充実を願いたい。(記者コラム・田中孝憲)

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