伊藤健太郎“ろくでなし男”演じる 阪本順治監督「冬薔薇」に主演 事件後初の映画

「冬薔薇」で独特の風貌(ふうぼう)を見せる伊藤健太郎(右)と脚本、監督の阪本順治氏
「冬薔薇」で独特の風貌(ふうぼう)を見せる伊藤健太郎(右)と脚本、監督の阪本順治氏

 俳優の伊藤健太郎(24)が、阪本順治監督の新作映画「冬薔薇(ふゆそうび)」(来年6月公開)に主演することが28日、分かった。主演映画は2年ぶり、昨年10月に自動車運転処罰法違反などの疑いで逮捕後、不起訴処分となってからは初となる。オリジナル脚本で、伊藤演じる“ろくでなし男”が、仲間が何者かに襲われた事件を機に生まれ変わる姿が描かれる。

 事件後初めてとなる主演映画は、通常の新作とはかなり趣が異なるものとなった。脚本も手掛けた阪本監督による完全オリジナル。主人公の人物像には伊藤の“本当の素顔”が投影された部分があるという。再出発した伊藤が今作次第で役者として受け入れられ、本当にやっていけるのか? その重要な分岐点であることを監督も理解。メガホンを託され、覚悟を固める意味もあっただろう。

 阪本監督は「脚本執筆前、(伊藤に)生まれてからこれまでのことをSNS上のうわさも含め、あれこれ執拗(しつよう)に聞いた」。容赦ない厳しい質問にも、伊藤の受け答えの中にうそやごまかしは感じられなかったという。やり取りを通じ、これまで世間に与えていた華やかなイメージこそ虚像で「実像は心にねじれを抱え、戸惑いのまま生きている青年。その性質を脚本に生かそうと思った」と明かした。

 これらの過程を経て生まれた主人公が、“ろくでなし”を地でいく男、渡口淳。ある港町に住む専門学校生で、不良仲間とつるんで友人や女から金をせびってはダラダラと過ごす日々を送っていたが、ある日仲間が何者かに襲われる。思いがけない人物が容疑者として浮上。ここから、主人公がいかに生まれ変わっていくかが物語の軸となりそうだ。

 「監督とはたくさんの話をさせていただいた。(脚本を)読んだ時点で喜怒哀楽、いろんな感情が僕自身の中に巻き起こった」という伊藤は「スクリーンで芝居ができること、カメラの前に立てることに感謝しかない。見てくださる方に何かしら受け取っていただけるすてきな映画に必ずなります」。その言葉には、決意と誓いの思いが込められていた。撮影は佳境に入っており、30日にクランクアップする予定だ。

 ◆裏方も

 阪本監督によると、伊藤は出演するだけでなく、余力のある時には小道具や撮影で使用する機器を運ぶなど、裏方スタッフとしても動いている。感謝の気持ちを行動に移し、撮影現場にいられる幸福を感じ取っている様子だという。「ふゆそうび」と読むタイトルの冬薔薇。寒風に耐えて野に咲くバラを指すが、普通のバラとは違い、凜(りん)とした強さを備えているとされる。監督の伊藤への願いは、タイトルにも込められているようだ。

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