花組100周年・柚香光がいざなう”時間旅行”「ご恩返しを」

スポーツ報知
「お花を連想する、ふわっとした温かさ、朗らかさ」と評した“花組らしさ”そのままの笑顔の柚香光(カメラ・保井 秀則)

 宝塚歌劇に1921年、「月組」とともに「花組」が発足して100周年。2009年の入団以来、生粋の“花男(はなおとこ)”のトップスター・柚香光(ゆずか・れい)は「歴史の深さ、人の思いの熱さ…最善を尽くしてご恩返しを」と先人への敬意を胸に、兵庫・宝塚大劇場で「元禄バロックロック」「The Fascination!(ザ ファシネイション)―花組誕生100周年 そして未来へ―」に臨んでいる。(筒井政也)

 一世紀もの歴史を積み重ねてきた花組生が、オリジナルの2本立てで時間旅行へといざなっている。「元禄―」は、元赤穂藩士・クロノスケ(柚香)が作った「時を戻せる時計」が、あの「忠臣蔵」を変える!?というSFファンタジー。「切ないやり取りもあるんですが、明るい雰囲気がずっと流れている。前向きなオーラが根底にあって、ポジティブな登場人物が多いですね」

 クロノスケも「快活」な人物で「個人的にあまり経験のなかった感情ルートの持ち主。想定外な出来事が起こり、それが苦難として映っても、それにワクワクしながら立ち向かう。生きるエネルギーにあふれている。知的好奇心、探求心が強いですね」と分析し、「新しい刺激が好き」と自分との共通項も見いだした。

 2代目相手役に迎えた前宙組トップ娘役・星風まどかにも「似た温度」を感じるという。「面白い人。一緒にいると、ついふざけたくなる」と笑顔。「芸事に誠実に向き合う中で、いろんな時間を共有して縁を深めていけたら」と新コンビ本拠地お披露目で絆を育む。

 時のつながりを具体化したのがレビューで、下級生の抜てきも多く「新しい風を感じます」。一方、古き良き昭和にもタイムスリップ。オマージュ企画では名ダンサー・大浦みずきさん(09年死去、享年53)の「フォーエバー!タカラヅカ」(88年)から「ピアノ・ファンタジィ」を再現。「心臓が口から出そうなぐらい光栄。格を、質を落としてはいけない」。緊張を誇りに変えて踊る。

 「格」が花組を支え続けたパワーワードの一つだ。「どの時代にも、その時々のカラーがあるんですが、パフォーマンスの中での品格、もてなす心、余裕のあるジェントルマンな雰囲気を感じることがたくさんある。お客さまへの包容力が花組の礎では」。組カラーについても「『熱い』というよりは『温かい』。『強い』というよりは『洗練』。『派手』というよりは『華やか』」と花組一筋らしく的確に表現した。

 13年間、突っ走ってきた柚香に「時を戻せるなら?」と問いかけると「もう一回やり直すのって結構大変。人間ですから、あの時、あんなこと…と、いろいろありますが、今を必死に生きている。疲れちゃうから、もういいです」と苦笑い。それでも「元禄―」に秘められたテーマとして「昔を懐かしみ、あの時は良かったと思うことは決してネガティブではない。大事なものに対する思い。今、こんな(コロナの)状況になる前は…と思ってしまう自分を責めることはない。明るい未来が待っているかもしれない」と語る。

 トップに立った丸2年は、公演中止、延期と試練の連続だったが「これだけの学びをいただけたのは、人生にとって、きっと大きなこと。『雨降って地固まる』じゃないですけど、自分がすべきことを、どれだけやっても命果てることはないはず。ワクワクとドキドキを持って、まい進したい」。花組の新世紀創造へ、後進を導く「光」になる。

◆柚香 光(ゆずか・れい)3月5日生まれ。東京都杉並区出身。2009年4月「Amour それは…」で初舞台。第95期生。花組配属。19年11月、花組トップスターに就任。来年3月21日~4月6日には大阪・梅田芸術劇場メインホールで、宝塚では7年ぶりの上演となるミュージカル「TOP HAT」に主演。身長171センチ。愛称「れい」。

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