広島・鈴木誠也の移籍に影響か MLB労使交渉平行線でロックアウト危機 リミットは来月1日

スポーツ報知
鈴木誠也

 メジャーリーグが揺れている。新労使協定に関しオーナー側と選手会は交渉を続けているが、平行線をたどっている。米東部時間12月1日までに合意しなければ、オーナー側のロックアウトとなることが濃厚。その場合は広島からポスティングシステムでメジャー移籍を目指す鈴木誠也外野手にも影響が出てくる。一体何が起こっているのか―。この問題について「迫る」。

 今回の両者の最大の争点は課徴金制度(ぜいたく税)。対象となる総年俸2億1000万ドル(約230億円)の上限を、1億8000万ドル(約198億円)に引き下げようとするオーナー側に対し、選手会側はサラリーキャップにつながり、年俸が抑制されるとして猛反対している。新型コロナウイルス感染拡大によって収入が減ったオーナー側の要求はそれだけにとどまらず、年俸高騰の要因とも言われている年俸調停の廃止、FA取得期間の年齢引き上げなど、いずれも選手会の容認しがたい事案ばかりだ。

 マンフレッド・コミッショナーは先日、年俸調停の権利を持つ選手に対して、球団が同権利を破棄して自由契約にする“ノンテンダー”の時期を12月2日から2日間前倒しした。裏を返せば労使協定の紛糾で、オーナー側によるロックアウトの可能性を示唆したことになる。

 もし、史上4度目のロックアウトになるとどうなるか。メジャー40人枠内のFAやトレード交渉が完全に凍結されるだけでなく、球団のキャンプ施設なども利用できなくなるため、故障中の選手や自らトレーニングをしようとしている選手にも影響が出る。春季キャンプまで及ぶようならポスティングシステムでのメジャー挑戦を表明している鈴木誠也外野手の去就にも大きく関わってくるだろう。

 また、球界関係者が一堂に会するウィンターミーティング(12月6日~)も、メジャー抜きのマイナー関係者らだけで行われるとメジャーの活動が完全にストップしてしまう。

 今年、野球殿堂入りしたマービン・ミラーが専務理事に就任して以降、年々力を強めて「世界最強の労働組合」と言われるメジャー選手会。過去5度のストライキによって勝ち取った多くの権利で選手の地位向上につながった経験があるだけに、結束を強めている。ただ、前回1994年、選手会が232日間も続けたストライキを最後に、表向き労使は協調路線を歩んできた。

 米メディアは、ロックアウトに入る可能性を伝えている。米国の一大イベント感謝祭が明ける週明けに一気に事態が好転するのか、それともこのまま対立が続くのか注目したい。(ベースボール・アナリスト=蛭間 豊章)

野球

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請