【阪神】藤井康雄1、2軍巡回打撃コーチ「現役の時に知っておけば」 4スタンス理論とは…インタ前編

スポーツ報知
4スタンス理論を選手に指導する藤井康雄1、2軍巡回打撃コーチ(中、球団提供)

 阪神・藤井康雄1、2軍巡回打撃コーチが26日、スポーツ報知などの合同インタビューに応じた。

 オリックスでは吉田正尚、ソフトバンクでは柳田悠岐ら日本を代表する強打者を育成した名伯楽は今月20日から秋季練習に合流。4スタンス理論で佐藤輝らを指導した。インタビュー前編は自身の指導方針や4スタンス理論との出会いなどを明かした。

 ―秋季練習が終了。指導期間を振り返って。

 「初日はどんな感じかなと見させてもらった。最初に言ったように、まだまだうまく体を使えてないと感じた。休み明けはそれぞれ体に合った動きがあるという感じで、4スタンスの話から各選手のタイプ、動ける動き方みたいなものをやっていけた。3日間ですけど、僕の中でやるべきことはやって、あとは選手が一番感じてもらわないと困るので、そこはうまくこの先も一緒に話をしながらいいものを出していきたい」

 ―秋季練習の最後には江越や片山を指導した。目についた選手は?

 「全体ミーティングをやった時に、それぞれ自分のタイプは何だろうっていうところで、それぞれ答えを出してくれて、その中でスイングをしていたんです。だけど、どうもしっくりこないと、もう1回細かくタイプチェックをして、やっぱり違っていたっていうことはね、(タイプが)合っていなかったので。合っているスイングを最後、2人にティーをやってもらった」

 ―いろんな球団見てきた中で阪神と他球団の違いを感じた?

 「俺、オリックスの現役時代にサヨナラホームラン打っても新聞の一面になったことない(笑い)。指導しただけで一面になるんだもん。びっくりするよ」

 ―指導を受ける選手の姿勢は。

 「自分で疑問に思って質問してくるのは、やっぱり興味があることだと思うので、その分吸収力は大きいよね。関心があるか、ないかも伸びしろの一つになるし、その辺をどう引き出してあげるかというところかな。一番最初は各選手に“ビックリマーク”をつけてあげるところから入っていく。『こんなことあるんだ!』とか『こういう考え方があるんだ!』と、自分の知らないことで興味が出たなっていうような。目からうろこみたいなものがあればベスト。どんな人でもそうだけど、興味があるというところに持っていけたら良かったのかなというところは思った」

 ―選手を見る上で大切にしていることは。

 「違和感が出ないように。最初言ったように、本来持っている自分の動き、行動、自然体、しなやかなに動けるのが力が出るコツだと思う。普段してる動きを野球でも、例えばペットボトルを持った時にドリンクをこんなして(肘を上げて)飲む人っていないと思う。普通にこう(肘を下げたまま)飲む。そういうところをバットのスイングでも普通にしてあげるというところかな。ご飯食べる時、こんなところで(体の左側にお皿を置いて)食べないでしょ? 必ず体の正面で何でも行うというところが最初に話した中で、何かをする時は体の正面で行いますよっていうところ。バッティングも一緒」

 ―4スタンス理論との出会い、きっかけは?

 「現役が終わって、(オリックスの)ファームのコーチを4年やったんだけども、もう一つ教え切れてない自分がいるというところかな。やっぱり自分が今まで経験したことだけで選手に話をする。『俺はこれで成功したんだからお前もやったら大丈夫だ』という感覚かな。でも、実際はそうみんなうまくはならないし、何でだろうという疑問があった時に、ちょうどスカウトに回った。ふとした時に4スタンスの本を見つけて、なんとなく読んだだけなんだけど、これおもしろいなって。自分が経験したことがない、例えばタイプがあるんですよとか、だからこのコーチに言われたことは全く自分の中で理解できなかったなとか、このコーチに言われたことはなんとなく分かったなとかあったんで、これはおもしろいから取り入れてみようかと。その中で1番最初にT―岡田を指導できて、実際、間違ってなかったなと思った」

 ―どう研究した?

 「それぞれ動きが分かった中でどう野球につなげていくか。まあそれをやっていると見ている全ての動きをつなげようとなった。人が歩いてる姿を見たりとか、そうやってコップを持ってジュースを飲んでるとか。その中でもやっぱり違うんだなとか立ったり座ったり、立ち方違うんだなとか座り方違うなとか、なんとなくそんな見方をしてると、違いが出てきた。これは野球という種目があるけれども、全ての動きの中、生活の中でも動きが違うんだ。包丁持つときもあるでしょう。包丁を手首で切る人もいれば、肘で切る人もいる。そういうのを見ていると、おもしろいと思ってどんどん研究というか、広戸先生のところに通いながら。研究じゃないけど、いろんなことを聞きながら、野球の技術に落とし込むこともできるようになった」

 ―現役時代に重心は意識していたのか。

 「全く。それがやめてこれを知っておけば、好不調の時期というのが少なくなったかなと。そんな気がしたけどね。やめてこれを知ったら、現役の時に知っておけばなって。やめた人はみんな思っている」

 ―選手らが自分で軸を知っておくことで好不調の波を少なくできる。

 「そうね。いらんことをしない。自分で分からなくなるから。調子が悪くなるといろんなことをするでしょ。そうすると自分のタイプではない動きまで取り入れてみようとか。何でもかんでもやってみようとか。それは俺の中では違う答え。そこを違うことではなくて、自分に合った動きの中で修正していく、調整していくということができる。その分、遠回りしなくても済むところがあるのかなと」

 ―シーズン中は1、2軍を巡回する。1軍の選手で気づいたことがあれば連絡したりすることも。

 「それはまたね。監督との話の中であるとは思う。ただ、プロ野球の中では相手があること。自分の状態が良くてもヒットにならないこともあるだろうし。そのあたりは勝負の世界なんで、大変だと思うけど。練習の中でいい状態をつくれるようにとは思ってはやっていいきたい」

 ―来シーズン指導する上でのテーマは。

 「選手が迷わないというところが一番じゃないですか。それを一番求められて来ていると思う。選手が納得して自分のバッティングを向上させることが一番かな。ちょっと打てなくなったからアレもやってみようかな、これもやってみようかなっていうようにならないように。これを信じてやっていけば、またいい状態に戻ってくるし、またいいものが出てくる。最初に話したけども、基本的にはその選手が持っている100があれば、その100を出せるようにしないと。それがね、イチローのようなとんでもない100の力が出る人間もいれば、それこそプロに入ったけれどもファームで終わってしまう(人もいる)。それは、100出してもそこまでの選手だったという可能性もある。ただ、それが出せないで終わらないようにしたい。選手の能力を最大限に出せるようにして、そこに大きさがある。スーパースターになるやつもいれば、1軍のベンチまで、1軍には上がれないという選手もいるかもしれない。その選手一人一人にある100を出してあげたいという気持ちでやっていきたい」

 ―若手では井上や新人では前川とスラッガータイプも多いが、そこに目を向けると。

 「基本は2軍のバッティングコーチなので、そういう選手を見るのが楽しみでしょうがない」

 ―日本人で中軸となるとその2人をどう伸ばしていきたい。

 「新人で入ってくる前川なんかであれば、それだけいいものを持ってプロに入ってきているわけだから、タイプも分かると思うので、いい部分を消さないようにするということ。プロに入って2年目、3年目で何か悩んでいる選手というのは何かが違っていると思うので、そのあたりを修正していく。それが4スタンスの中の1つの方法だと思うし、そういうところを見ていきたい」

 ―若い選手にはどう伝えていく?

 「4スタンスは性格も出る。みんなが知っている血液型と一緒。血液型診断というのがあるでしょ。4スタンスもその性格というのがある。そういうアプローチの仕方。この子にはかいつまんで一つ一つ話していかないといけないとか。この子にはポイントだけ言っておけばいいなとか。ポイントだけ言っておけば、ほったらかしにしておいてもいい。しっかりついてあげて、1から10まで教えてあげないといけないタイプもいる。そういう形でやっていけばいいかなと思うね」

 ―2軍で頑張っている選手を1軍に推薦することもある。

 「そうですよね。そういう選手がいれば、今おもしろいよ、という推薦はできますよね。しっかり見ているとね。今の時代ね、1年目から1軍で活躍する子がいっぱいいるわけだから、いいものは使っていってあげればいいかなと思いますね」

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