藤川球児氏が分析…ヤクルト・石川雅規の投球術がオリ吉田正ら翻ろう、日本一は実力伯仲でまだ見えない

スポーツ報知
マウンドでハイタッチを交わす山田哲人、村上宗隆らナイン(カメラ・石田 順平)

◆SMBC日本シリーズ2021 第4戦 ヤクルト2―1オリックス(24日・東京ドーム)

 「SMBC 日本シリーズ2021」第4戦は、ヤクルトがオリックスを1点差で破り、3勝1敗で20年ぶりの日本一へ王手をかけた。先発した石川が、直球は130キロ台前半ながら変幻自在の投球で6回3安打1失点。41歳10か月のシリーズ勝利は左腕最年長、セ・リーグでも最年長の快挙となった。2勝1敗から王手をかけたチームのV率は96%。前年最下位から日本一になれば、1960年の大洋以来、実に61年ぶりとなる。スポーツ報知評論家の藤川球児氏は「日本一は実力伯仲でまだ見えない」と分析した。

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 僅差の点差で試合が進むにつれ、勝敗の行方はヤクルトの守護神・マクガフ次第だとみていた。9回先頭の宗は初球を中飛、吉田正も初球を右前安打。直球でファウルを取れず、決していい状態とはいえなかった。それでも、中村の好リードが光った。1死一塁から、4番・杉本への1ボール2ストライクからの4球目。バットを短く持った主砲に対し、強気に懐を攻めて遊ゴロに仕留めた。

 2点リードを守れず、救援に失敗した20日の初戦は追い込んでから外角にボールを集め、四球で歩かせるなど苦しんだ。その反省が生かされていた。最終的に2死からT―岡田の打球は一、二塁間に抜けてもおかしくないゴロ。一塁・オスナのポジショニングが素晴らしかった。それだけに、直前の杉本への1球が大きかった。

 試合をつくったのは石川だった。緩急を武器にする技巧派は今のパ・リーグにはいない。オリックスは若手選手中心で打線が組まれているだけに、老かいな投球術が際立った。ただ、緩い変化球を生かすのは130キロ台前半でもキレのいい速球が低めに決まってこそ。プレーボールからアウトローに3球続け、2球目はしっかりとストライクコールだった。万全の調整で臨めていることがうかがえた。

 特に吉田正には初回初球から内角を突いて、体を開かせて空振り三振を奪った。このシリーズで気づいたことだが、吉田正は立ち遅れて差し込まれることを嫌がるタイプ。その後の打席にも影響していた。また、1番の福田にはチームとして外角中心の攻めを徹底。4打席21球すべてがアウトコースを狙ったものだった。安打を1本許したとはいえ、シリーズを通じた配球は今後につながる。ベテラン左腕は持ち前の制球力で実践していた。

 ただし、ヤクルトが王手をかけたとはいえ、圧倒的に有利になったとは思わない。オリックスは敗れたものの、6回2死一塁から右翼・サンタナが右前安打の処理でファンブルする間に一走が生還するなど、細かなプレーができている。宗のコンディションもいい。今年のこの2チームは勝ち負けは時の運といっていいほど、100試合すれば、50勝50敗の可能性がある。それぐらい実力が伯仲している。(藤川球児=スポーツ報知評論家)

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