◆第52回明治神宮野球大会第5日 ▽大学の部準決勝 中央学院大6―2国学院大(24日・神宮)
主将は笑顔でチームを鼓舞し続けた。今秋のドラフト会議でオリックスから3位で指名された国学院大(東都大学)の4番・福永奨捕手(4年=横浜)は2打数無安打。「日本一を目指していたので、本当に悔しい」。チームは初回から4点を先行される苦しい展開で、中央学院大(関東5連盟第1)投手陣の力のある直球を打ち崩すことができず、日本一への道は途絶えた。試合後、主将は涙する仲間の肩を一人一人優しくたたいた。
最後まで諦めなかった。4点を追う9回、2死満塁。西武育成4位で指名された川村啓真外野手(4年=日本文理)がバッターボックスに立つと、人一倍大きな声援を送った。「川村に託した思いもありましたし、4年生でやりきりたい思いもあった。4年生の意地を見せたかったですが、それができず申し訳ないです」。川村のバットが空を切ると、静かにうなずいた。
大学野球生活は幕を閉じたが、野球人生はまだまだこれからだ。「納得いく結果がでなかったので、次のプロという舞台でこの悔しさを糧にしっかりやりたいです」。新たな舞台で輝きを放つ。