◆第52回明治神宮野球大会第4日 ▽高校の部準決勝 大阪桐蔭9―2九州国際大付=7回コールド=(23日・神宮)
花巻東(東北)の怪物ルーキー・佐々木麟太郎が、強烈なインパクトを残して神宮を去った。準決勝で広陵(中国)に惜敗したが、8回に今大会2本目となる高校通算49号の同点3ランを放つなど3安打5打点の大暴れだった。勝った広陵と第2試合で敗れた九州国際大付(九州)は、それぞれ4番を打つ真鍋慧(けいた)と佐倉侠史朗が一発をマーク。大阪桐蔭(近畿)の145キロ左腕・前田悠伍も2失点完投勝ち。麟太郎世代のスーパー1年生がそろい踏みを見せた。
打った瞬間にホームランと分かる強烈な打球が右翼席の中段手前で弾むと、佐倉は右腕を突き上げて喜びを表した。「しっかり強いスイングをすることだけを心がけました」。大阪桐蔭の前田が投じた外角高めの直球を182センチ、104キロのパワーで粉砕した。
九州大会で2本塁打。強力打線の4番を担うが、今大会は準々決勝までの2試合で2安打を記録したものの長打はなかった。「これまで出せなかった長打力という持ち味を出すことが出来てよかったです」と表情を緩めた。
花巻東の佐々木と同じ巨漢の左打者。今大会は、いずれも直後の試合で打席に入った。「佐々木君を意識してしまうこともありましたが、今日は意識せず相手投手との戦いが出来ました。今後は勝負強さを身に付けたいです」と新たな目標を掲げた。通算本塁打は8本。佐々木とは大きな差があるが、この日の一発でライバルとして注目度が上がるはずだ。(浜木 俊介)