伝説アニメ「幻魔大戦」りんたろう監督が角川春樹氏、大友克洋氏との秘話明かす「角川アニメの一時代作れた」

「幻魔大戦」のトークイベントを行ったりんたろう監督
「幻魔大戦」のトークイベントを行ったりんたろう監督
りんたろう監督
りんたろう監督

 1983年に公開され、伝説のアニメ映画と呼ばれる「幻魔大戦」が、開催中の角川映画祭で上映されることにちなんだトークショーが21日、東京・新宿のEJアニメシアターで行われ、同作の監督を務めたりんたろう氏が出席した。

 「幻魔大戦」は角川映画が初めて手がけたアニメ作品。りんたろう監督は、自身が手がけた79年の映画「銀河鉄道999」を気に入った角川書店社長の角川春樹氏から直々にラブコールを受け「幻魔―」の監督に就任することとなった。

 角川春樹氏との初対面当時を振り返り、りんたろう監督は「僕もいろんな人に会って仕事をしてきましたが、異端児と言えるのはこの人」としみじみ。「開口一番『実はアニメをやりたい』。出版社がアニメを作るなんてあり得ない時代。『お前に2億5000万円預けるから好きなように使え』と。当時は大変な数字ですよ」と豪快ぶりを明かした。

 暗黒の破壊者・幻魔から地球を救う超能力者たちの戦いを描く作品。平井和正氏の小説、石ノ森章太郎氏のコミックがあったが、りんたろう監督はあえて石ノ森氏のキャラクターを一新し、のちに「AKIRA」などを手がけた漫画家の大友克洋氏にキャラクターデザインを依頼した。

 りんたろう監督は「出版社がアニメをやるのなら、変わったアニメにするべき。あの線や表現、キャラクターは映画的だと思った」と白羽の矢を立てた理由を明かし「吉祥寺の喫茶店で、2時間話をした。開口一番(大友氏が)『僕の絵ってアニメになりますか?』って。『絶対動かします』と言ったら『じゃあやります』って」と懐かしんだ。「周囲からは(ヒロインの)ルナを見て『かわいくねえな』と言われたが、大友がかわいい女の子を描けるわけがない。パンク系だから」とその独自性を尊重した。

 灯りの消えた新宿のビル群を墓石に見立てたシーンにもこだわり、実際に新宿のホテルの一室を取り、夜のビル群をアニメーターがスケッチしたという。「今のアニメの世の中は光中心の世界だけど、昔のアニメは光と影の構築。AIじゃできない人間の機微がでるのもアナログのすばらしさ」としみじみ。「当時は全員が40過ぎ。春樹さんも含め全員厄年で、厄がそろえば怖くないと幻魔に立ち向かえた。春樹さんと出会って、周りの面白い連中がサポートしてくれてできあがった作品で、角川アニメの一時代を作れたことが大切な要素だったのかな」と語った。

 「幻魔大戦」は映画祭開催中の23、25、30日、来月4、6日も同所で上映される。

「幻魔大戦」のトークイベントを行ったりんたろう監督
りんたろう監督
すべての写真を見る 2枚

芸能

宝塚歌劇特集
NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請