◆明治安田生命J1リーグ ▽第36節 浦和2―1横浜M(20日・埼玉)
浦和は流通経大卒のルーキーMF伊藤敦樹がJ1初ゴールを決めるなど、ホームで横浜Mに2―1で勝利した。
前半18分、MF江坂任が左サイドからグラウンダーで蹴り込んだFKをDF西大伍、ショルツがコースを変え、最後は伊藤が右足で押し込んで先制した。今季はルヴァン杯で2得点を決めているが、J1では初得点。浦和下部組織時代から憧れたホーム・埼スタで初ゴールをマークした。
後半3分にはFW関根貴大の縦パスに走り込んだ伊藤がシュートを放ち、相手GKがはじいたこぼれ球をMF田中達也が流し込んで2点目。プロ1年目の23歳ボランチが2得点に絡み、2位の強敵を下した。
伊藤はレジェンドの思いを“継承”する一発を決めた。40歳MF阿部勇樹が今季限りでの現役引退を14日に発表。伊藤は今季開幕戦から阿部と17歳差のボランチコンビで主力を担い、隣から「自由に、気楽に楽しんでやっていいよ」と励まされながら35試合に出場してきた。
引退発表から2日後の16日には「思い切ってプレーできた。サッカーに対する姿勢、人間性もプレーも尊敬できて、学ぶことが本当にある」と阿部に感謝。プロ24年目のベテランのプレー、メンタル面から学んだことは多く「レッズに対する思い、レッズがどういうチームで、というのは自分がしっかり受け継いでいきたい」と胸に誓って迎えた一戦で大仕事をやってのけた。
この日は、前節・FC東京で大量8得点と爆発した横浜Mを1失点に抑えた。14年のクラブ記録を抜く年間17戦目の無失点はおあずけとなったが、GK西川周作が前半29分に相手の直接FKをスーパーセーブするなど堅守。右脚付け根の負傷で日本代表の試合を欠場していたDF酒井宏樹も後半33分からピッチに立ち、最少失点で終えた。
今季限りで退団を発表したDF槙野智章がベンチから味方を鼓舞し、同じく退団するDF宇賀神友弥は終盤に左サイドバックで出場して試合を締めた。今季残りはリーグ2試合と天皇杯の最大4戦。チーム一丸で来季ACL出場権獲得を目指す。