再びヤクルトから始まる「データ革命」…「ホークアイ」データのファン向け公開の英断に拍手を

スポーツ報知
東京ヤクルトスワローズの球団旗

 今年の日本シリーズがヤクルト―オリックスになったことで、95年の同カードで話題になった「ID野球」が再びクローズアップされている。ヤクルトは他チームに先駆けて新興IT企業が開発したパソコン入力ツールを用いて分析し、オリックスに勝って日本一に輝いた。

 26年が経ち、ヤクルトが再び球界のトップを切って、新しい挑戦を始める。ボールや選手の動きを追尾する「ホークアイ」で取得したデータを、ファンに向けて無料で公開する取り組みだ。球団の選手名鑑ページで開示されている。球界にも「オープンデータ化」の波が押し寄せた格好。MLBのトラッキングデータを自分で分析してきた身として、今回のヤクルトの英断に大きな拍手を送りたい。

 スポーツ報知が11月16日に速報したニュースでは、次のように伝えている。

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 「ホークアイ」は神宮球場に設置された8台のカメラでボールの動きを正確に捉えて解析することで、投手は投球の初速、終速、回転数など、打者では打球速度や打球角度などさまざまなデータを取得するシステム。今季、ヤクルトは得られたデータをチーム強化に役立て、6年ぶりのリーグVを達成した。

 選手情報ページでは、昨季と今季の神宮球場での試合データを表示。投手では直球の初速、終速、回転数、回転軸の傾きなど、野手では打球速度、打球角度、ゴロ、フライ、ライナーの割合、打球方向の割合などが表示されている。

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 これまで日本では、トラッキングデータは球団が独自に取得し、内部や機器を扱う専門のデータ会社でのみ利用されてきた。球場などで打球速度などが公開されることもあったが、ファンへの開示はごく一部にとどまっていた。機構自らデータを取得し、「Baseball Savant」で公開しているMLBとは違う道を歩んできた。

 今回ヤクルトが公開したことで、ファンの間では早速喜びの声が上がっている。今後は、独自に分析するファンも出てくるだろう。

 また持ち運び可能なトラッキング機器「ラプソード」や、ボール自体に埋め込まれたセンサーで回転数を計測する機器が、いまでは高校野球レベルでも広がっている。プロのトップレベルの選手と比較することで、その凄さを体感できるかもしれない。

 ヤクルトの取り組みが、他球団にも波及していくことを心より願っている。そして個人的には、各球団がバラバラに取り組むのではなく、リーグ単位やNPBとして統一されたフォーマットでデータが開示されることを望みたい。関係各所の調整、地方球場でのデータ欠損などの問題もあるだろう。ヤクルトの挑戦が、新しい野球の見方を作る第一歩となることを願っている。(編集局編成部デジタル担当=田中孝憲 @CFgmb)

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